2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H05593
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
森本 雄祐 国立研究開発法人理化学研究所, 生命システム研究センター, 研究員 (50631777)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / 膜電位 / 蛍光イメージング / 走化性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、細胞性粘菌のcAMPに対する走化性シグナル伝達機構をモデルとして、分子生物学的手法とオプトジェネティクスを用いた生物物理学的手法により、真核生物の走化性シグナル伝達における膜電位の重要性を明らかにするとともに、シグナル伝達機構に働く膜電位変化の役割を分子レベルで解明することを目指している。これまでの研究によって、細胞性粘菌の集合期における周期的なcAMPシグナル伝達に追従してリズミックな膜電位変化が起こることを高感度な蛍光イメージングによって明らかにしている。使用する膜電位プローブの再検討を行うことにより、研究開始当初に比べ飛躍的に高感度で膜電位変化をイメージングすることができるようになっている。また、走化性シグナル伝達におけるcAMPリレーと膜電位変化の関係性を明らかにするために、膜電位と他の様々なシグナルとの同時計測を高感度で行うための実験系を確立し、cAMP、カルシウムイオン、pHなどのシグナルをこれまでに無い高い感度でイメージングすることが可能となった。これらのイメージング実験系と光操作による細胞内イオン濃度の人為操作などの実験結果から、複数種類の陽イオンが自発的膜電位変化に関わっており、イオンの種類によって役割が異なっていることが示唆されている。本研究で確立したイメージングや光操作技術は、細胞性粘菌の研究だけではなく、広く真核生物のシグナル伝達研究に応用できるものであると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
イメージング手法の検討を行うことにより、主たるターゲットシグナルである膜電位を非常に高感度で可視化することができるようになっただけではなく、cAMP、カルシウムイオン、pHなどの他のシグナルについても高感度なイメージング手法を確立することができた。光遺伝学の応用により、光操作によって細胞内イオン濃度を変化させることによって膜電位を操作することにも成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究によって、膜電位の高感度なイメージングと光操作手法を確立することができた。今後はこれらの技術を用いて、細胞性粘菌の変異体等において計測実験を行うことにより、走化性シグナル伝達における膜電位変化の役割を分子レベルで明らかにすることを目指す。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Domain-swap polymerization drives the self-assembly of the bacterial flagellar motor2016
Author(s)
Matthew A.B. Baker, Robert M.G. Hynson, Lorraine A. Ganuelas, Nasim Shah Mohammadi, Chu Wai Liew, Anthony A. Rey, Anthony P. Duff, Andrew E. Whitten, Cy M. Jeffries, Nicolas J. Delalez, Yusuke V. Morimoto, Daniela Stock, Judith P. Armitage, Andrew J. Turberfield, Keiichi Namba, Richard M. Berry and Lawrence K. Lee
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Journal Title
Nature Structural & Molecular Biology
Volume: 23
Pages: 197-203
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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