2017 Fiscal Year Annual Research Report
The elucidation of the relationship between the formation of stromule and salinity tolerance by 3D reconstruction
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15H05613
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
山根 浩二 近畿大学, 農学部, 准教授 (50580859)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | イネ / 塩ストレス / 3次元構造 / 葉緑体 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 塩ストレス下におけるポケット形成と耐塩性との関係 イネ品種日本晴に100 mMのNaClを4日間処理し, 対照区と塩処理区の葉肉細胞をFIB-SEMで観察した。各処理区から3細胞を取り出し、細胞全体とその中に含まれる全ての葉緑体をトレースして3次元立体像を構築した。対照区では, 3細胞内に合計44個の葉緑体が観察されたが, 突起構造や葉緑体ポケット構造は観察されなかった。一方, 塩処理区では, 3細胞内に葉緑体が37個含まれており, 多数の葉緑体がシート構造を作っていた。葉緑体ポケットは51.9%の葉緑体が有しており, 対照区と比較してその数が有意に増加していた。このことから, 非耐塩性イネ品種では, 塩ストレス下でポケット構造を有意に増加させ, オルガネラ間の協調関係の強化を行っていることが推察された。さらに, 耐塩性稲品種であるPokkalliについてもポケット構造の数を調べたところ, Pokkalliではポケット構造は観察できなかったことから, ポケット構造の形成が耐塩性に直接的に関与する可能性は低いことが示唆された。 (2) イネ葉肉細胞におけるオルガネラ配置変化 塩ストレス下において, 葉緑体, ミトコンドリア, ペルオキシソームの3つが密着することは知られているが, その配置を3次元的に調べた研究はない。対照区, 塩処理区ともに, 葉緑体に対してミトコンドリアとペルオキシソームが密着していたが, 塩処理区では, 葉緑体と直接接していないミトコンドリアやペルオキシソームが集まり, 葉緑体と直接的に接しているミトコンドリアやペルオキシソームと数珠つなぎになる現象が観察された。葉緑体と直接接することができる面積は限られているため, 数珠つなぎになることで接地面積を増加させ, 代謝効率を上げることでストレス耐性を向上させていることが推測された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)