2018 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration for novel functions of biofilm matrix components
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15H05619
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
杉本 真也 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (60464393)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | バイオフィルム / マトリクス / 分子シャペロン / RNA / 黄色ブドウ球菌 / 大腸菌 / 細胞外多糖 / 細胞壁アンカータンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
バイオフィルムは微生物が固体表面に形成する集合体であり、その内部の菌は抗菌剤や免疫系・貪食細胞系の働きに高度の耐性を示す。そのため、バイオフィルムに関連する感染症は慢性化・難治化の一途をたどることが多く、現代社会において、バイオフィルム感染症の的確な予防法・治療法の開発が重要な課題となっている。本研究では、バイオフィルム感染症の主要な起炎菌である黄色ブドウ球菌のバイオフィルムマトリクスに見出した細胞質分子シャペロンやRNAの性状・機能・動態を把握し、バイオフィルム形成の分子機構を明らかにすることで、バイオフィルム感染症に対する予防法・治療法の糸口をつかむことを目指した。平成30年度は、大腸菌のバイオフィルム形成に重要なマトリクス成分であるCurliの形成を制御する分子シャペロンDnaKの役割と分子機構を明らかにし、Communications Biologyに報告した。また、Curliの形成を効果的に抑制するEGCGの作用機序をScientific Reportsに発表した。次に、細胞外に存在するRNAが黄色ブドウ球菌の産生する細胞外多糖との相互作用を介してバイオフィルムの内部へ取り込まれることを示し、論文投稿した。さらに、黄色ブドウ球菌の細胞壁アンカータンパク質の一種であるSasGがバイオフィルム形成において、細胞壁にアンカリングすることがその機能発現において重要であること、MRSA臨床分離株MR23株の主要なマトリクスタンパク質であるEapと相補的に機能すること、DNAに直接結合してDNAの分解を抑制することを発見し、Infection and Immunityに報告した。本研究で得られた成果は、バイオフィルム形成の分子メカニズムの理解を深めることだけに留まらず、バイオフィルムに関連した難治性感染症の制御法開発への応用展開が期待される。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)