2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15H05623
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
増口 潔 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (00569725)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 植物ホルモン / オーキシン / 生合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は, 平成27年度にシロイヌナズナを用いて作出したYUCCA結合タンパク質遺伝子のエストラジオール誘導系による一過的な過剰発現植物体の解析を行った。当該遺伝子を一過的に過剰発現させた場合, 主根の伸長が抑制され, 重力屈性が異常になることが明らかとなった。また, 変異体を用いた掛け合わせ実験では, T-DNA挿入による当該遺伝子の欠損が, オーキシン生合成変異体(sav3)の根の伸長不全を緩和することが示された。さらに, プロモーター::レポーター株の解析を行った結果, 側根の原基部分で特に強いシグナルが観察され, 当該遺伝子がオーキシンによる側根伸長の制御に関与する可能性が示唆された。実際, 上記のYUCCA結合タンパク質遺伝子のT-DNA挿入破壊株では, 野生型と比較して側根数の増加が認められた。今後, この表現型について定量化を行う予定である。また, 当該遺伝子とそのホモログ遺伝子の間に, 冗長性があるかを明らかにするため, ホモログのT-DNA挿入破壊株を取得したが, 目立った表現型は観察されなかった。今後, これらの多重破壊株の観察を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
YUCCA結合タンパク質の生理的な役割に関する解析については, 形質転換体及び欠損変異体が整備され, H29年度以降に詳細な解析が行える状況になった。また, 当該遺伝子のホモログについても欠損変異体を入手し, 多重変異体の作出をほぼ完了した。一方,タグ融合型YUCCAを発現する植物体は, オーキシン過剰の表現型を示し, 根の伸長などが著しく抑制された異常形態を示したため, 免疫抗体を用いた解析に変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度にウサギを用いて作製を開始した免疫抗体を用いて, 植物体内におけるYUCCAタンパク質の動態を生化学的に調査する。また, オーキシン量は厳密な内生量の調節機構により制御されていると考えられることから, 当該遺伝子の一過的な発現抑制体について調査を行う。また, これまでに整備した形質転換植物体および遺伝子破壊株については, 内生のオーキシン量をLC-MS/MSを用いて定量分析する。
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Research Products
(6 results)