2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H05731
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 勇気 北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (50449542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野 潤 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (40378550)
田中 今日子 東北大学, 理学研究科, 客員研究者 (70377993)
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Project Period (FY) |
2015-05-29 – 2020-03-31
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Keywords | ナノ / 透過電子顕微鏡 / 結晶成長 / その場観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、核生成には気相(液相)から液滴(dense liquidまたは非晶質)が生成する過程と、その液滴が過冷却(過飽和)となって結晶化する少なくとも二つのステップが存在することを明確にしてきた。R元年度は、成長する高圧氷とその周りを囲む水との界面に、両者と明確に区別できる高密度水がマイクロメートルの厚みで存在することを発見した。これは、水から氷になる際にも二段階のステップを経ることを示唆しており、水と氷の界面にはナノメートルスケールで連続的に変化する構造が存在するとの通説を覆す成果である。また、透過電子顕微鏡でタンパク質の結晶化初期過程をその場観察した結果、定説とは対照的に、欠陥は結晶全体に渡る自由な拡散、消失、生成をダイナミックに繰り返していることが分かった。本成果は、タンパク質結晶の分子構造解析に重要な結晶の品質向上や最終的な特性に直接かかわる欠陥形成やそのダイナミクスの理解につながると期待される。 さらに、我々が明らかにしてきた気相からの核生成過程の知見を元に2017年に構築した国際研究チームを主導し、ドイツ航空宇宙センターとスウェーデン宇宙公社との共同研究と、アメリカ航空宇宙局との共同研究で、R元年度に宇宙ダストの生成過程の解明を目的とした観測ロケットを用いた微小重力実験をそれぞれで実施した。前者については、炭素質宇宙ダストの再現実験に初めて成功した。宇宙における炭素質物質の循環を解明する道を拓く成果として,プレスリリースでも国際的に広く公表した。後者では、酸素が豊富な天体が供給する宇宙ダストの生成過程を模擬する実験に成功した。両者の結果を合わせることで,宇宙における物質進化の理解が飛躍的に進むと期待され、NASAからもプレスリリースが発出されるなど、国際的に広く公表した。両者の実験結果を合わせることで、宇宙における物質進化の理解が飛躍的に進むと期待される。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(43 results)