2016 Fiscal Year Annual Research Report
Design, Synthesis and Functional Analysis of Ion-Channel-Forming Molecules Based on Polytheonamide Structure
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15H06156
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 寛晃 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (20758205)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 固相合成 / 有機化学 / 合成化学 / ペプチド / イオンチャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、イオンチャネル形成ペプチド天然物であるポリセオナミドBの極めて強い細胞毒性を構造改変により制御することを目指した。この機能制御を実現するためには、詳細な細胞毒性発現機構の解明と、そのために必要となるポリセオナミドBおよび類縁体の効率的供給が不可欠である。従来のポリセオナミドBの合成法では、側鎖極性官能基によるペプチド鎖の会合・凝集や副反応により、固相のみで全体構造を構築することが困難であった。そのため、合成終盤に多段階の液相反応やHPLC精製を要し、原理的に多種類の誘導体合成には適さなかった。そこで、機能制御および詳細な細胞毒性発現評価のために必要となる効率的な固相合成法の確立を目指し、天然物であるポリセオナミドBの固相全合成のための検討を行った。 本合成を実現するため、側鎖ヒドロキシ基に新たに保護基を導入し、凝集や副反応を抑制することとした。この新たな保護基戦略は、これまで合成困難であった37残基からなるポリセオナミドBフラグメントの固相合成による構築を実現した。また、固相担体上における2個のフラグメント連結によりポリセオナミドBの全体構造を構築することに成功した。さらに、適切な脱保護条件を用いることによりポリセオナミドBの固相全合成を達成した。固相反応を主体とした新合成法は従来法と同等の総収率でポリセオナミドBを与え、液相反応を主体とした従来法と比較して簡便な操作で実施可能なだけでなく、量的供給の観点からも優れた合成法であり、ポリセオナミドBおよびその類縁体の合成法として飛躍的に効率化された。また、本研究成果は、巨大複雑構造ペプチドの合成における保護基戦略に関しても新たな知見を与えるものである。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)