2016 Fiscal Year Annual Research Report
Oil Prices and the Japanese Economy: From the Perspective of the Current Account and Export-Import Industries
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15H06585
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
和田 龍磨 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 准教授 (20756580)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 原油価格 / 鉱工業生産指数 / 経常収支 / VARモデル / 非線形モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
当初予定の通り、原油価格の変化が各産業にどのような影響を与えるのかを非線形・非対称性を許容するベクトル自己回帰モデルによって調べた。Herrera et al. (2010,2015)でも述べられているように、ほぼすべての産業において原油価格の影響は非対称を有しなかった。このことは、原油価格上昇が生産量を下げるのと同様・同程度に原油価格下落が生産量を上げるということである。ただし、注意すべきは、インパルス応答の信頼区間が大きく、このことが推定されたインパルス応答関数がさほど(統計的には)正確に推定されておらず、結果として対称性の帰無仮説を棄却できないということにつながった可能性があるということである。この点については、今後はシミュレーション法に基づくインパルス応答関数の推定だけでなく、近傍射影法(Local Projection)に基づくインパルス応答関数を推定する必要があると思われる。また、そのようにして推定されたインパルス応答関数をもとにした仮説検定についても検討が必要である。 推定されたインパルス応答関数から、経常収支、その中でも財およびサービス収支は円建て原油価格の上昇によって改善すると解釈できるが、これも信頼区間が大きいためにこの解釈には注意を要する。興味深いことに、財のみの収支は原油価格の上昇によって下がると解釈できるが、これも信頼区間の大きさから、直ちにそのように結論づけることはできない。149の業種のうち、トラック、自動車ボディーなど12の業種では原油価格の上昇によって生産量が下がるが、セメント・セメント製品などの業種では反対の結果を得た。 これらの結果をまとめた論文を現在執筆中であり、注意深く結果を解釈しながら完成させる予定である。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)