2015 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症モデルラットへのSBM経口投与が骨結合の促進に与える影響
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15H06645
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
渡邊 丈紘 日本大学, 松戸歯学部, 助手(専任扱) (80759986)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | インプラント / 骨粗鬆症 |
Outline of Annual Research Achievements |
インプラント体埋入後の治癒期間は3-6ヶ月とされ、この期間は摂食機能が制限されるためQOLが大きく低下する。特に広範囲欠損のインプラント治療では骨代謝の機能低下を伴う高齢者が対象になることが多く、本邦に 1,300 万人いるといわれる骨粗鬆症に悩む高齢者の場合、更に治癒期間は長期化する。将来的に超高齢社会の我が国では、インプラント治療を希望する高齢者の増加が予測される。これらのことから治療期間の短縮は臨床上重要な命題と言える。 治療期間に大きく影響するオッセオインテグレーションに関わる研究はインプラント体表面性状の改良や表面処理の工夫、さらに即時荷重法の選択など局所的アプローチが主流であった。これに対し、申請者は全身面からのプローチとして、サプリメント(Synthetic Bone Mineral:SBM)療法に着目し、健常ラットへのSBM経口投与がオッセオインテグレーションを促進させ治療期間の短縮に寄与できることを明らかにした。今回の研究では増加する高齢者へのインプラント治療を想定し、加齢を加味した骨粗鬆症モデルラットを用いてSBMの経口投与がオッセオインテグレーションを促進させ治療期間の短縮に寄与できるか検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は動物実験を行った。実験動物は8週齢雌性 Wister 系骨粗鬆症モデルラットを使用し、SBM 配合食を与える実験群と普通食を与える対照群の2群に分類した。 実験の結果、実験群ではインプラント体埋入後2および4週において、インプラント体の引き抜き強度およびインプラント体周囲骨の骨密度について実験群は対照群に比べ有意に高い値を示した。また実験群はカルセインによる蛍光染色においてインプラント体周囲骨に帯状の蛍光像を示した。 以上の結果から骨粗鬆症モデルラットにおける SBM の経口摂取が骨形成作用を持つことを明らかにし,インプラント体埋入後の治癒期間中にインプラント体周囲新生骨の骨形成を促進させることを明らかにされた。さらに骨形成を促進させることでインプラント治療期間の短縮に有効である可能性を示唆した。
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Strategy for Future Research Activity |
骨粗鬆症モデルラットにおける SBM の経口摂取が骨形成作用を持つことを明らかにしたことから、SBMの骨形成促進作用がどのように骨代謝に影響を与えるか、リアルタイムPCRおよび免疫染色を用いて検討を行う。
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Research Products
(1 results)