2015 Fiscal Year Annual Research Report
超対称性とインフレーション理論に基づく素粒子理論の構築
Project/Area Number |
15J05474
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
張ヶ谷 圭介 東京大学, 宇宙線研究所, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2016-03-31
|
Keywords | 超対称性 / インフレーション / 大統一理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
私の研究の目的は、超対称性とインフレーション理論に基づいた素粒子論を構築することである。平成27年4月から8月の間に、主に以下のような研究を行った。 (1)大統一理論と超対称性の相性について 超対称性理論において、標準模型粒子の超対称パートナーの存在が予言される。超対称パートナーが存在すると、電弱ゲージ理論とカラーゲージ理論の結合定数が高いエネルギースケールで統一され、大統一理論の予言と一致する。このことが、超対称性を考える動機の一つとされている。しかしながら、大統一理論には、ヒッグス粒子の超対称性パートナーの質量が素朴には大統一理論のスケールと同じになってしまうという問題がある。この問題を解決するために、ヒッグス粒子の超対称性パートナーの質量を対称性でコントロールする方法が提案されてきた。私は、この方法に関するno-go-theoremを証明した。このno-go-theoremは、大統一理論模型を構築する際に非常に有用である。 (2)カオティックインフレーション模型の再考察 インフレーション模型の中で、カオティックインフレーション模型は最も自然な模型である。なぜなら、初期値問題を全く持たないからである。しかしながら、宇宙背景放射の観測による重力波の大きさへの上限から、単純なカオティックインフレーション模型は排除され、複雑な模型にする必要があると考えられてきた。私は、最も単純なカオティックインフレーション模型が、模型を全く複雑にする必要なしに観測と無矛盾であることを示した。超対称性理論においては、平らなポテンシャルをもつスカラー場の存在が予言される。一般的に、そのようなスカラー場はインフレーション中に運動する。私は、この運動が重力波の大きさをやや抑制することを見出し、最も単純なカオティックインフレーション模型が実験と無矛盾であることを示した。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(8 results)