2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of nucleic acids translocation across the lysosomal membrane in a novel autophagic system
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15J06173
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
CONTU VIORICA RALUCA 山梨大学, 総合教育部, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | RNautophagy / DNautophagy / リソソーム / 核酸分解 / SIDT2 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者はリソソームによる新規核酸分解経路RNautophagy/DNautophagy (RDA)について研究を行っている。RDAにおいて、LAMP2Cが受容体として機能することが報告されている。また、リソソーム膜タンパク質SIDT2がリソソーム内へのRNA取り込みを仲介することも明らかとなっているが、RDAにおける核酸のリソソーム膜通過メカニズムに関して不明な点が多い。研究代表者は核酸のリソソーム膜通過メカニズムの解明を目的にしている。そのため、平成28年度には以下の2点について研究を進めた。 (1) SIDT2のリソソーム局在に必要な選別シグナルの解明 SIDT2はリソソーム膜に局在しているがその局在に機能するシグナルがわかっていなかった。平成27年度にはSIDT2のリソソーム局在に三つのモチーフが必要であることを見出した。平成28年度は細胞内において、SIDT2を介するRNA分解にはSIDT2のリソソーム局在が必要であることをpulse-chase analysisによって明らかにした。また、SIDT2の過剰発現は細胞内RNA分解を著しく促進できることも見出した。この内容は現在、論文投稿中である。 (2) DNautophagyにおいてSIDT2が機能する否かの検討 DNautophagyにおいて、ATPの消費を伴いDNAがリソソーム内に直接取り込まれ、分解される。本研究ではDNautophagyにおけるDNAの取り込み過程にはSIDT2が機能する否かを検討した。SIDT2の過剰発現によってDNautophagyにおけるDNAの取り込み活性が上昇し、直鎖状DNAは環状DNAよりも容易に取り込まれた。また、RNAとDNAの取り込み活性には差がなかった。SIDT2のノックダウンによってリソソームによるDNAの取り込み活性が低下する結果と合わせて、SIDT2はDNautophagyにおいてもリソソームによるDNAの取り込みを仲介することが明らかとなった。SIDT2のRNautophagyにおける機能と合わせて、SIDT2はリソソーム膜上の核酸輸送体の有力な候補であることが考えられる。この内容はAutophagy誌に発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成28年度には、RNautophagyにおいてリソソーム内へのRNA取り込みを仲介するリソソーム膜タンパク質SIDT2について研究を行った。具体的にSIDT2の過剰発現は細胞内RNA分解を著しく促進できることを見出した。また、細胞内において、 SIDT2を介するリソソームによるRNA分解にはSIDT2のリソソーム膜への局在が必要であることも示した。さらに、RNautophagyだけでなく、DNautophagyにおいてもSIDT2がリソソーム内へのDNA取り込みを仲介することを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
RDAにおける核酸のリソソーム膜通過メカニズムの解明に向けてSIDT2の解析を続けて行う予定である。具体的に以下の3点に関して研究を進める予定である。 (1)SIDT2がポアを形成する否かの検討 - SIDT2が線虫の細胞膜においてRNAトランスポーターとして機能するSID-1タンパク質の哺乳類オルソログの一つであることからSIDT2もSID-1のようにポアを形成し、トランスポーターとして機能する可能性が考えられる。イオンを透過させるポアタンパク質の検出ができる液滴接触法という技術を用いてSIDT2がポアを形成するかどうかを検討し、ポアの特徴づけを行う。 (2)SIDT2が核酸トランスポーターとして機能する否かの検討 - 液滴接触法を用いてSIDT2が形成するポアを核酸が通過できるのかを検討する。SIDT2再構成プロテオリポソームを人工平面脂質膜と融合させた後、SIDT2が脂質膜に形成するポアを核酸が通るかどうかを検討する。核酸として一本鎖と二本鎖のRNAとDNAを用いる予定である。 (3)SIDT2がATPaseとして機能する否かの検討 - SIDT2再構成プロテオリポソームとATPase/GTPase Activity Assay Kitを用いてSIDT2がATPaseとして機能する否かを検討する。
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Remarks |
http://proteolysis.jp/a_forum/thread.php?id=96 http://proteolysis.jp/a_forum/thread.php?id=100
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Research Products
(5 results)