2015 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫応答を制御する新規ヒト免疫受容体CD300Hの機能解明
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15J08253
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
新妻 耕太 筑波大学, グローバル教育院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | CD300ファミリー受容体 / パトローリング単球 / 骨髄球系樹状細胞 / SNP |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究の目的: ヒト新規免疫受容体 CD300H の機能を in vitro において解析し、ヒト生体内における役割を明らかにする。 2.実施した内容 ①CD300Hの発現: 健常者由来の末梢血単核球細胞における CD300H の発現をフローサイトメトリー法によって解析したところ、CD300Hはパトローリング単球と骨髄球系樹状細胞に発現することがわかった。 ②CD300Hの会合分子の同定: CD300H が会合するアダプター分子を明らかにするため、ヒトの単球系細胞株である U937 にCD300H を遺伝子導入し免疫沈降法を用いて会合分子の探索を行った。その結果、CD300H はDAP12およびDAP10と複合体を形成することが明らかとなった。 ③CD300H の機能解析: パトローリング単球は炎症局所にいち早く遊走し、炎症性サイトカイン・ケモカインを産生して好中球の遊走を促すことが報告されている。そこでCD300Hが炎症性サイトカイン・ケモカインの産生を促進するかを検討するため、パトリーリング単球を単離しプレートコートした TX93 による刺激実験を行った。その結果、炎症性サイトカインと好中球の遊走を促進するケモカインの発現が亢進することがわかった。また、CD300Hを刺激したパトローリング単球由来の培養上清を用いて好中球遊走アッセイを行ったところ、CD300Hの刺激によって好中球の遊走が促進されることが明らかになった。また、健常者由来末梢血から骨髄球系樹状細胞を単離しCD300Hの刺激実験を行ったところ、好中球の遊走を促すケモカインであるCXCL8の発現が亢進することが明らかになった。 3.意義: CD300Hはパトローリング単球および骨髄球系樹状細胞を活性化し、自然免疫の初期応答に重要な役割を持つことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・CD300Hの発現細胞を明らかにした。 ・CD300Hの会合分子を明らかにした。 ・樹立したモノクローナル抗体を用いてCD300Hの活性化受容体としての機能を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
CD300Hのリガンドの同定:リガンドの発現局在を明らかにするため、CD300HのFcキメラタンパクを使用してフローサイトメトリー法で解析する。CD300Hリガンドが発現細胞から、cDNAライブラリーを作製しリガンド非発現細胞に遺伝子導入する。この細胞からリガンド陽性細胞を樹立し、この細胞からリガンドのcDNAをゲノムPCR法により単離する。
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Research Products
(3 results)