2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15J11944
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
濱田 有香 東京工業大学, 社会理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 食べる速さ / 早食い / 咀嚼 / 食事誘発性体熱産生 / 消化管の血流 / ガム |
Outline of Annual Research Achievements |
研究1(DITを増大させる食べ方を検討する)および研究2(DITを増減させる要因を明らかにする)を行った. 研究1では,食後のガム咀嚼が食後のエネルギー消費量(DIT:diet-induced thermogenesis)に及ぼす影響について検討した.2014年度に実験を行い,データを収集し終えた.普通体重の健常成人男性12名が実験に参加し,621 kcalの試験食を早食いまたはよく噛んで摂取した.その後,食後にガムを噛む試行では,試験食を食べ終えた直後にガム(3 kcal)を15分間咀嚼した.ガムを噛まない試行では,試験食に3 kcalの砂糖を加えた.食後のガム咀嚼はDITを増大させたが,ゆっくりよく噛むことの代替になる程度のDITは生じないという結果が得られた.DITは消化管における消化吸収と関連があるため,消化管の血流の測定も行った.2015年度は消化管の血流のデータ解析行った.消化管の血流は早食いに比べよく噛むことによって増大した.しかし,食後のガム咀嚼は消化管の血流に影響しないという結果が得られた. 研究2では,DITを増減させる要因について検討した.2015年度に実験を行い,データを収集し終えた.普通体重の健常成人男性11名が実験に参加し,200 mlの飲料(200 kcal)を3通りの飲み方で摂取させた.①対照試行:一口20 mlを30秒毎にすぐ摂取する試行,②時間試行:一口20 mlを30秒間口に含んでから摂取する試行(口腔刺激:対照試行+味覚),③咀嚼試行:一口20 mlを1秒に1回の頻度で30秒間咀嚼してから摂取する試行(口腔刺激:対照試行+味覚+咀嚼)を別の日にランダムに行った.飲料摂取後90分間のDITの累計は咀嚼試行で最も増大し,対照試行で最も小さくなった.咀嚼および食事時間の両方の要因によってDITを増大させることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金)交付申請書の研究実施計画のとおりに研究を実施できた.
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Strategy for Future Research Activity |
DITは消化管における消化吸収と関連があることから,研究2では消化管の血流を測定した.現在,消化管の血流のデータ解析を行っており,2016年度も引き続き行う.解析終了後,論文を執筆する.2016年度の10月までに受理を目指す.また,修士課程における研究成果(食べる速さと体型との関係)について論文を執筆し,平成28年度10月までに受理を目指す.研究2の成果の一部は2016年4月に行われたExperimental Biology 2016(国際学会)で発表した.国内学会では,第71回日本体力医学会大会(岩手)および第94回日本生理学会大会(浜松)で発表する予定である.
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Research Products
(8 results)