2020 Fiscal Year Research-status Report
日本とアジア圏の英語学習者のパフォーマンス能力:モノローグでの多言語比較研究
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15K02786
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
蓬莱 朋子 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (40548012)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 応用言語学 / 英語教育 / 教育評価・測定 / 言語テスト / 外国語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、世界的規模で実施される英語運用評価試験(IELTS, TOEFL iBT等)に含まれるスピーキングテストで採用されているタスクの一つ「モノローグ」に着目し、受験者の出身国における学校教育での試験形式(e.g.筆記、実技)と、英語スピーキングテストでのパフォーマンスとの関連性を検証する。特にアジア圏の評価方法について考証し、試験結果の重要性が高いテスト(high-stakes tests)として「モノローグ」タスクを使用することの妥当性を検討することを目的としている。 当初の研究計画では、日本とアジア圏の大学生を被験者として、英語と母国語での「モノローグ」の発話言語とパフォーマンス・テスト時の言語間、被験者間の認知プロセスを比較するべくデータ収集を継続していたが、新型コロナウィルスの感染拡大のため、2020年度は対面でのデータ収集が困難になり、電子メールによる調査を主に実施した。内容は、初・中・高等教育における「口頭試験(教員との面接試験、または教員・クラスメートの前でのプレゼンテーション)」の受験経験、それらが実施された学年と科目についてである。300名のアジア圏(日本を含む)出身の大学生を対象として配布し、回収率は21パーセント、回答者の1割が口頭試験は未経験であった。返信のなかった79パーセントの答えを知る術はなく、口頭試験の未受験を反映しているか否か、憶測の域を出ないが、今回の調査協力者からは実態を把握する上で有益な回答を得ることができた。また、各国の背景を理解するために、現代アジアの教育計画や小学校英語教育についても文献調査を通して知見を深めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度に続き、アジア出身の学生を対象としてパフォーマンス・テストでの発話データやインタビュー調査を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、留学生の入国制限等により被験者の確保が困難になったこと、「対面」でのデータ収集も困難な状況にあったことから、当初の計画よりも全体的に遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染拡大の影響で、「対面」での発話データ収集、インタビュー調査が困難であることから、パフォーマンス・テストの録音やインタビューはオンライン会議ツールで実施する。また、質問紙調査を紙媒体からWeb媒体へ変更する。データ収集と並行して、文献調査を継続し、アジア諸国の教育制度について見識を深める。
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Causes of Carryover |
(理由)新型コロナウイルスの感染拡大により、学会等が中止・延期になり、対面でのデータ収集も見送ったため、旅費や人件費等が未使用となり、差額が発生した。 (使用計画)データ収集の方法を変更し、実施可能になり次第「人件費・謝金」を使用する。また、本研究に関する研究会への参加や、研究成果の発表には「旅費」を使用する。
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