2015 Fiscal Year Research-status Report
マイクロフォンアレイを用いたコンクリート構造物に発生する損傷の検知
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15K05869
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
川合 忠雄 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (20177637)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 浮き / 打撃試験 / 独立成分分析 / 位置推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
H27年度は、FEM 解析によるシュミレーションを主体に以下の項目について検討した。 1.打撃点から発生する衝撃波伝播の解析 打撃によって発生するR波、P波、S波の伝播をシミュレーションし、剥離や浮きの位置や大きさとP波、S波の伝播の様子を関係づけた。波の大きさとしてはP波とR波が大きく、R波は浮きの影響を受けないので、R波を分離して取り除く必要性を確認した。 2.波の分離 打撃点に対して等距離においた4つの測定点での信号に対して独立成分分析(ICA)を適用し、測定した信号からR波を分離して除去し、各測定点でのP波を求めた。測定点の近傍に浮きが存在しない場合には、浮きでの反射(P波)が非常に小さくなった。 3.損傷位置の同定 各測定点でのP波の実効値の平均を求めたところ、浮きが存在する中央部での実効値が大きく表れていた。今回は、打撃点を移動しながら、打撃点から等距離にある測定点での値を評価し、実効値が一番大きくなる位置から浮きの位置を推定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H27年度はシミュレーションによって打撃試験によって、浮きが存在する場合も含め、衝撃波がどのようにコンクリートを伝播するかを解析した。これによって、衝撃波の伝播の様子を把握することができた。さらに、簡易的にコンクリート内部に小石や鉄筋が存在する場合の波動も解析した。 反射波P波と表面波S波の分離についても独立成分分析を用いることにより可能となった。 一方、損傷位置の推定については、分離した反射波の大きさを求めるにとどまっており、逆問題解析等で位置推定するまでには至っていない。 また、実験を想定したノイズの除去については現時点ではできていないのでH28年度の実験に合わせて除去手法を検討する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
H28年度は、H27年度にシミュレーションで得られた結果に基づき、実験によって浮きを検出する予定である。このときに、浮きの位置を推定するための逆問題解析を適用する予定なので、シミュレーションによる手法の確認と実験による検証を行う予定である。 H28年度は、実験装置の製作、手法の検証を中心に研究を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
大学の事務ルールで、10万円を超えるソフトの購入に際しては、当該年度の研究期間分の支払いしかできない。 今回購入したソフト(年間ライセンス費:111,196円)のうち今年度の研究期間分(18,533円)を越える分(92,663円)についてはH28年度経費から支払う必要があったので、越えた分をH28年度に繰り越して支払うことにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
すでに購入済みのソフトの支払いに充てる予定となっている。
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