2015 Fiscal Year Research-status Report
金属アレルギー発症過程における樹状細胞遊走因子の解析
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15K11161
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
渡邉 恵 徳島大学, 大学病院, 講師 (40380050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 崇晴 徳島大学, 大学病院, 特任講師 (00581381)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 金属アレルギー / ケラチノサイト / 樹状細胞 / TSLP/TSLPR |
Outline of Annual Research Achievements |
GM-CSFを用いてマウス骨髄より分化誘導した樹状細胞(dendritic cells; DC)をニッケル(Nickel; Ni)で刺激した後,経時的なTSLPRの発現を観察した.同様に,Ni刺激後の経時的なGプロテインおよびMAPキナーゼの活性化の状態も観察した.さらに,マウスケラチノサイト株,PAM2.12およびヒトケラチノサイト株,HaCaTをNiで刺激した後, 抗TSLP抗体で染色してTSLPの発現を観察した. Niで刺激したDCでは刺激24~32時間後にTSLPR mRNAおよびタンパクの発現上昇がみられた. また,RhoAとRac1の活性化,および,過去の報告通りp38の活性化も観察された.そこで,TSLPを加えたDC上でのGプロテインの活性化の状態をウェスタンブロットで解析したところ,RhoAとRac1の活性化を認めた. 一方,Niで刺激した後のケラチノサイトでは,PAM2.12,HaCaT両方で刺激24時間後をピークにTSLPの発現上昇を認めた. 細胞遊走能への影響を検討するために,DCに対してケモタキシスアッセイを行った.DC培養液中にTSLPを加えて24時間培養した後,DCを回収した.続いてトランスウェルの上段にDCを播種し,TSLPの残っていない状態でのDCの遊走を観察した.播種6時間後に下段のチャンバーに移動したDCの数を測定したところ,何も加えていないコントロール群と比較して,TSLPを加えた群では有意なDCの下段への遊走が観察された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はDC上に発現するTSLPRとGプロテイン,ケラチノサイト上に発現するTSLPとGプロテインの発現動態を解析した.また,ケモタキシスアッセイおよび細胞骨格の変化も観察し,ほぼ当初の計画通りに研究が進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はケラチノサイトへのTSLPR遺伝子導入実験と,in vitroでの解析を行った後,マウスを用いたin vivoの実験を行う.具体的には,TSLPの発現を増強あるいは減弱させたPAM2.12,およびTSLPRの発現を増強あるいは減弱させたDCをマウスの皮下に移入し,Niアレルギーの病態の変化を観察する.
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Causes of Carryover |
業務の都合で,計画時に予定していた学会1つに参加できなかったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の残額は,メディウム等の消耗品購入に使用する予定である. 次年度予算は当初の計画通りである.
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Research Products
(2 results)