2005 Fiscal Year Annual Research Report
金属蛋白質・金属酵素による物質変換と情報変換の化学
Project/Area Number |
16074217
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
城 宜嗣 独立行政法人理化学研究所, 城生体金属科学研究室, 主任研究員 (70183051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野 智也 独立行政法人理化学研究所, 城生体金属科学研究室, 基礎科学特別研究員 (40373360)
山田 斉爾 独立行政法人理化学研究所, 城生体金属科学研究室, 基礎科学特別研究員 (20360662)
杉本 宏 独立行政法人理化学研究所, 城生体金属科学研究室, 研究員 (90344043)
永野 真吾 独立行政法人理化学研究所, 城生体金属科学研究室, 先任研究員 (60286440)
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Keywords | 金属蛋白質 / センサー蛋白質 / 金属配位空間 / 二成分情報伝達系 / ヒスチジンキナーゼ / 酵素センサー蛋白質 / ヘム鉄 / エチレンセンサー蛋白質 |
Research Abstract |
金属イオンを活性中心に有するいくつかのタンパク質・酵素(金属タンパク質・金属酵素)を取り上げ、その分子構造、特に反応場である金属配位空間の精密な構造情報を基に、これらの生理活性や反応機構を分子レベルで理解することを目的に研究を進めた。研究対象としては、(1)一酸化窒素還元酵素、(2)酸素添加酵素、(3)酸素センサータンパク質を取り上げている。本年度は、センサー蛋白質の構造機能解析に大きな進展があったので報告する。まずは、酸素センサー蛋白質FixLにおいて、酸素-鉄の配位空間を形成しているいくつかのアミノ酸残基(Arg200、Arg208、Ile209、Ile210、Arg214)に注目し、FixLによる酸素濃度感知におけるこれらの役割を検討した。方法は、それぞれをAlaに置換した変異体を調製し、これら変異体への酸素結合・解離速度、結合定数、鉄の自動酸化速度(Fe^<2+>→Fe^<3+>)および自己リン酸化活性を測定した。その結果、Arg200、Arg208、Ile209、Ile210は、鉄への酸素の結合を制御し、鉄-酸素結合を安定化するような配位空間を形成する役割を果たしており、一方Arg214は酸素脱着による自己リン酸化活性制御に重要な役割を果たしている事が明らかとなった。さらに、FixLと一次構造の相同性が高い(約27%)好熱菌のセンサー蛋白質に注目し、その構造をX線結晶構造解析ならびにX線小角散乱法により解析した。その結果、4.8Å電子密度を得る事に成功した。センサー部位と触媒部位との接触やHKとRRの結合の様式を世界で始めて確認した。
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Research Products
(6 results)