2005 Fiscal Year Annual Research Report
センサリーゲノミクスの展開と味覚の生体情報工学の基盤解析
Project/Area Number |
16108004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 啓子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10151094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 恵一 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80188896)
松本 一朗 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 客員助教授 (00291328)
吉原 良浩 理化学研究所, シナプス分子機構研究チーム, リーダー(研究職) (20220717)
三坂 巧 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (40373196)
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Keywords | 味覚 / 食品 / ゲノム / シグナル伝達 / 脳・神経 |
Research Abstract |
ゼブラおよびメダカにはN末端領域の長いT1RタイプとN末端領域の短いT2Rタイプのレセプターが存在する。T1RにはT1R1,2,3ファミリーがあり、哺乳類と共通である。しかし哺乳類T1R2は1種類であるのに対し、ゼブラは3種、メダカは5種類と複数存在する。これらのレセプターがどのような味物質を受容するかをHEK293細胞を用いて測定した。T1R2とT1R3およびG-タンパク質をHEK293細胞に導入し、48時間後にリガンド(味物質)を添加し、細胞内カルシウム濃度上昇を測定した。その結果、ゼブラおよびメダカのT1R2・T1R3ヘテロダイマーレセプターは、一部のL-アミノ酸類に応答することが明らかとなった。また、T1R2の分子種間では、応答するL-アミノ酸群のパターンが若干異なることもわかった。哺乳類T1R2・T1R3は甘味レセプターであるのに対し、魚T1R2はL-アミノ酸レセプターとして機能するという結果は、T1R2は元々L-アミノ酸を認識するレセプターであったが、陸上で生活する哺乳類に進化するに伴い、アミノ酸ではなく甘味を認識するレセプターに変化したことを推定させる。PLCβ2の転写制御領域1.6KbpにWGAを連結したトランスジェニックメダカを作成した。共導入したGFPの蛍光から、G0およびF1のメダカに陽性シグナルを観察できた。F2を作成して解析する予定である。味覚修飾タンパク質ネオクリンの活性を、T1R2・T1R3を導入したHEK293細胞を用いて解析した。その結果、マウスT1R3とヒトT1R3のキメラでも活性を示すことを明らかにした。しかし、マウスT1R3のみでは活性はなく、ヒトT1R3の部分アミノ酸シークエンスが必要であった。
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Research Products
(6 results)