2006 Fiscal Year Annual Research Report
インダクティブ結合を用いた超広帯域低電力チップ間無線通信の研究
Project/Area Number |
16206037
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
黒田 忠広 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50327681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 英晴 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60175932)
真壁 利明 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60095651)
中野 誠彦 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (40286638)
眞田 幸俊 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (90293042)
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Keywords | LSI / CMOS / SiP / 低電力 / インタフェース / ワイヤレス / チップ間通信 / インダクティブ結合 |
Research Abstract |
データ転送の消費エネルギーを3pJ/ビットから0.14pJ/ビットに低減することに成功した。パルス通信の送信エネルギーは、パルス幅の2乗に比例することを見出し、パルス幅を従来の1/5の50psに正確に制御する回路技術を研究開発したことで、送信エネルギーを1/25に低減できた。また、受信エネルギーは、CMOS回路と同様に電源電圧の2乗に比例して、デバイスを90nmに微細化することで低減できた。以上の結果、高精細テレビ解像度の動画像をH.264/AVCで圧縮伸張処理するためのプロセッサとメモリ間の通信に必要な電力を2mWに低減でき、携帯用途にも応用できるようになった。また、通信距離を従来の数100umから1.2mmに伸ばすことに成功した。受信回路の初段に30dBの増幅回路を導入した結果である。チップから放射される電磁波ノイズが比較的小さい後半のクロックサイクルで通信を行った。データ転送のビット誤り率は十の-10乗以下であり、信頼性は十分に高い。この技術を市販のマイクロコントローラチップに埋め込み、パッケージ内部に封印されたマイコンのバスのデータをパッケージ外部からモニターすることに成功した。ユーザシステムに実装されたマイコンをテスト用ピンを用いずにデバッグできるようになった。以上の成果をIEEE国際固体素子回路会議(ISSCC)の将来技術のセッションで2件の論文にまとめて発表した。 また、インダクティブ結合を用いた無線通信チャネルの磁界一定スケーリング則を提唱した。チップの水平方向の微細化と共に垂直方向、すなわちチップの厚さも微細化することで、磁界結合を用いた通信チャネルの磁界を一定にできることを示した。これは、電界効果トランジスタの電界一定のスケーリング則に匹敵する。3次元集積された将来の集積回路の微細化に関する指導原理を提案できた。この知見をヨーロッパ固体素子回路会議(ESSCIRC)の基調講演で発表した。
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Research Products
(6 results)