2004 Fiscal Year Annual Research Report
カテーテルインターベンションシース抜去時の即時レーザ止血法の開発
Project/Area Number |
16300177
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
荒井 恒憲 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30338199)
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Keywords | レーザ溶着 / シース抜去孔 / 半導体レーザ / 組織判別 / 後方散乱光 |
Research Abstract |
1.in vitro検討用のシース抜去孔モデル作成 窒素ボンベ、ストップバルブ、バッファータンクを用いて加圧装置を構築した。本装置を用いて、持続的に動脈血圧が印加されたシース抜去孔モデルを作成した。 2.シース抜去孔閉鎖のためのレーザ溶着法と溶着モニタに関する原理検討 2-1 シース抜去孔閉鎖のためのレーザ溶着法の検討 <方法>1.で作成したモデルにシースが挿入された状態で抜去孔周囲にインドシアニングリーンで染色した後、コア径1mmの光ファイバーをシース内に挿入した。シースごと光ファイバーを抜去しながら抜去孔周囲に半導体レーザー光を照射し、抜去孔の溶着閉鎖を行った。レーザ照射時には熱電対を用いて血管壁の温度測定を行った。また、溶着した試料の染色標本を作成した。 <結果>抜去孔の外膜溶着に成功した。溶着後抜去孔は最大で97%に縮小され、レーザ溶着によるシース抜去孔止血の実現可能性が示された。また、レーザ照射時の血管中膜壁の温度は89℃と推定された。コラーゲン線維の軟化温度が60℃であることを考慮すると、本溶着はコラーゲンによる溶着であると考えられる。 2-2 組織判別のためのモニタ法に関する検討 <方法>ブタ心筋、ブタ大動脈、ブタ血液を用いて周囲組織、血管壁、血液の3層を模擬したex vivoモデルを作成した。モデルにコア径1mmの光ファイバーを挿入し、メタルハライド光源光を照射しながらファイバーを血液から血管壁、心筋へと移動し、組織からの後方散乱光スペクトル計測を行った。 <結果>血管壁と心筋の境界を判別することはできなかったが、本構想で最低限必要とされる血液と血管壁の境界を判別することができ、判別法の実現可能性が示された。
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