2005 Fiscal Year Annual Research Report
カテーテルインターベンションシース抜去時の即時レーザ止血法の開発
Project/Area Number |
16300177
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
荒井 恒憲 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30338199)
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Keywords | レーザ溶着 / シース抜去孔 / 半導体レーザ / 組織判別 / 後方散乱光 |
Research Abstract |
インターベンション治療後のシース抜去孔の止血閉止は、医療側の労力および患者の苦痛が大きいことが問題となっている。そこで研究者は、レーザ加温によって軟化したコラーゲン繊維を絡み合わせ生体を接着するレーザ溶着原理を用いた、低侵襲なシース抜去孔閉止法を提案している。本年度は、溶着に関するパラメータを経時的に計測できる実験系を構築し、同装置で実験を行い、シース抜去孔閉止に適した条件を検索した。 溶着条件に関与するパラメータは以下の通りである:レーザ強度,溶着部周囲温度,溶着部位(抜去孔断面),圧排圧力、ファイバー引抜速度、レーザ照射部位。これらを計測、記録するために、実験システムを構築した。バッファタンクを介し動脈血圧を模擬した圧力を摘出ブタ頸動脈に生理食塩水で加えた。半導体レーザ(波長810nm)を溶着用光ファイバー(φ1000μm)で伝送し、ファイバー端を自動ステージ上に固定し一定速度で抜去を行いながら出力1〜2Wで照射した。シース抜去時に抜去孔付近を用手的に圧排し、その圧力を半導体圧力センサで計測した。溶着部位は予めICGを滴下し染色した。溶着部の周囲温度を計測するために熱電対をシース抜去孔から1〜2mmの場所に設置した。ファイバー先端部位検出装置は昨年度までの装置を基本とし二本のファイバーを一体化させた。この装置を用いてレーザ出力と抜去速度を変化させながら溶着実験を行い、レーザ照射後のシース抜去孔からの生理食塩水の漏れ速度(量)を測定した。 シース抜去速度.レーザ出力が50μm/s,0.75Wの時最も良い溶着が得られた。同条件の外膜からシース抜去孔の溶着前後の概観を観察すると、ファイバーの先端に相当すると思われる孔を除いて完全に溶着していた。 今後、レーザ照射端の最適設計および制御により、完全な封止が得られるものと思われる。
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