2006 Fiscal Year Annual Research Report
カテーテルインターベンションシース抜去時の即時レーザ止血法の開発
Project/Area Number |
16300177
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
荒井 恒憲 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30338199)
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Keywords | レーザ溶着 / シース抜去孔 / 半導体レーザ / 組織判別 / 後方散乱光 |
Research Abstract |
2006年度の研究では、以下の検討を行いそれぞれの成果を得た。 1)システム構築 色素(indocyanine green : ICG)と半導体レーザ(波長:808nm)を併用したシース抜去孔レーザ溶着閉止の安定した封止達成を目的とし、ファイバー先端部分からの光学計測データによりレーザ照射強度のフィードバック制御を行う、溶着閉止システムを構築した。具体的には、後方散乱光の計測やレーザ出力制御を行うための信号入出力部の構築及びレーザ光の導光や後方散乱光の検出を行なうための光学系の構築を行なった。計測制御用プログラムとしてLab View^<TM>を用い、後方拡散反射光計測、半導体レーザ照射強度制御、シース抜去速度制御をPC上で行える装置を完成した。 2)ファイバー先端形状 昨年度までの研究でベアファイバー使用時に先端でアブレーションが生じていたことに鑑み、ファイバー前方の光強度を減らし、併せて、ファイバー側方への光強度を増加させるように、ファイバー先端形状を頂点の立体角を45°の円錐状に加工したファイバーを作成した。光強度分布計測より閉止面積の大きな溶着を行うことができる可能性が示唆された。 3)拡散反射光による組織温度モニタ、変性モニタ 拡散反射光モニタによる先端位置情報、組織情報が具体的な溶着原理解明併せて制御用情報の取得に資することから、後方散乱光を用いたICG染色程度測定・組織判別の検討、およびICG脱色を用いた温度制御の可能性を検討した。具体的には、ICG染色測定用光源(波長:808nm)、組織判別用光源(波長:543nm)、外乱補正用光源(波長:633nm)を一本のファイバーに伝送し、3波長による拡散反射計測を行なった。ICG染色程度測定が可能で、ファイバー先端位置の組織の高精度な判別を行えた。ICG脱色と組織温度は相関するはずだが、ICG溶液実験で得た反応速度定数から、レーザ溶着時に血管壁を60℃から80℃に温度制御するために必要なICG吸光度変化を見積ったところ、60℃から80℃範囲の温度モニタとしてICG脱色を観測するのは、不可能であることが分かった。
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Research Products
(1 results)