2005 Fiscal Year Annual Research Report
難分解性含塩素有機リン酸トリエステル類の微生物分解機構の解明
Project/Area Number |
16310054
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
解良 芳夫 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00137168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 祥司 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (90324011)
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Keywords | 難分解性有害物 / 含塩素 / 有機リン酸トリエステル類 / 分解微生物 |
Research Abstract |
Tris(1,3-dichloro-2-propy1)phosphate(以下TDCPP)やTris(2-chloroethyl)phosphate(以下TCEP)などの『難分解性含塩素有機リン酸トリエステル類の微生物分解』を世界で初めて明らかにし、その分解機構を詳細に解析することにより、廃水処理や環境修復へと応用するために必要な基礎を築くことが本研究の目的である。 平成17年度は、以下の研究実績をあげた。 (1)TDCPPやTCEPに対する高い分解活性を示す微生物培養液から調製した微生物ゲノムDNAを鋳型とし、16S rRNA遺伝子の可変領域をPCRで増幅した後、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法で解析した。その結果、培養液には、Sphingomonas属およびAcidovorax属に属する数種の微生物が存在することが示された。 (2)更に、TDCPPおよびTCEPを唯一のリン源とした寒天培地を用いて、これら培養液から6株の分解微生物を単離した。単離微生物の16S rRNA遺伝子の塩基配列を解析により、3株はSphingomonas属の、別の3株はSphingobium属の微生物と同定された。 (3)これら6株の内、Sphingomonas sp.TDK1と命名された1株は、TCEPよりもTDCPPに対して高い分解活性を示した。また、残りの単離株の内、Sphingobium属の3株は、TDCPPよりもTCEPに対して高い分解活性を示した。 (4)Sphingomonas sp.TDK1株を用いてTDCPPの分解過程を調べたところ、添加したTDCPPから、化学量論的にみあう量の1,3-dichloro-2-propanolが遊離されることがGC・MS分析により示された。
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