2007 Fiscal Year Annual Research Report
難分解性含塩素有機リン酸トリエステル類の微生物分解機構の解明
Project/Area Number |
16310054
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
解良 芳夫 Nagaoka University of Technology, 工学部, 教授 (00137168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 祥司 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (90324011)
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Keywords | 難分解性有害物 / 含塩素 / 有機リン酸トリエステル類 / Tris (1,3-dichloro-2-propy1)phosphate / Tris (2-chloroethy1)phosphate / 微生物分解 |
Research Abstract |
Tris (1,3-dichloro-2-propyl)phosphate (以下 TDCPP)や Tris (2-chloroethyl) phosphate (以下TCEP)などの『難分解性含塩素有機リン酸トリエステル類の微生物分解』を世界で初めて明らかにし、その分解機構を詳細に解析することにより、廃水処理や環境修復へと応用するために必要な基礎を築くことが本研究の目的である。 平成19年度は、以下の研究実績をあげた。 1. 土壌試料から単離・同定された含塩素有機リン酸トリエステル類の分解微生物Sphingomonas sp. TDK1株とSphingobium sp. TCM1株の各種有機リン酸トリエステル類に対する資化能を明らかにした。両株ともハロアルキル系トリエステル類、アリール系トリエステル類を資化することが示された。しかし、TDK1株は、アルキル系トリエステル類を全く資化することができず、TCM1株のこれらエステル類に対する資化能も限定的であった。 2. TDCPPからは1,3-dichloro-2-propanolが、TCEPからは2-chloroethanolが初期代謝産物として遊離することが、培養液抽出液のGC/MS分析で示され、初発分解反応はリン酸エステルの加水分解反応であることを明らかにした。 3. 両株とも分解酵素活性の大部分が、無細胞抽出液中に存在することを明らかにし、無細胞抽出液から、当該酵素の精製を試みた。その結果、Sphingobium sp. TCM1株の無細胞抽出液から68倍まで精製された当該酵素は単量体で、分子質量は約62.7kDaと推定された。
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Research Products
(6 results)