2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16330113
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Research Institution | Ube Frontier University |
Principal Investigator |
木下 謙治 宇部フロンティア大学, 人間社会学部, 教授 (00041757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 隆弘 鹿児島大学, 法学部, 教授 (10041089)
保坂 恵美子 久留米大学, 文学部, 教授 (30149025)
室井 研二 香川大学, 教育学部, 助教授 (20310013)
坂本 俊彦 山口県立大学, 地域共生センター, 助教授 (40342315)
花野 裕康 宇部フロンティア大学, 人間社会学部, 助教授 (30352066)
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Keywords | 地方都市 / コミュニティ / 地域情報 / ローカル・ニュースペーパー |
Research Abstract |
本年度は3ヵ年継続研究の最終年度に当たるので、昨年度までに実施した調査の結果を基に、もっぱら「研究成果報告書」のまとめに向けての研究会(宇部市と福岡市で各1回、計2回)を開催し、研究成果について話し合った。そこで、明らかになった主な研究実績は以下のような諸点に認められる。 (1)地域紙(ローカルニュースペーパー)とコミュニティ意識について言えば、地域に主体的に関わろうとする熱意(意識)をもつ者が、より多く地域紙を購読している。 (2)コミュニティ意識を調査対象者の属性とクロスさせてみると、地域に主体的に関わろうとする熱意をもつ者は、居住歴が長く、年齢が高く、職業的には「農林漁業」「自営業」「団体職員・公務員」などに多い。これらの社会層が地域の中心的担い手であると同時に、地域紙の中心的購読層であり、地域的な取り組みを行う際の情報源として地域紙を貴重な拠り所としている。 (3)実際の市民的な活動(コミュニティ活動)の場面にリーダーとして、あるいは一般参加者として参加した経験をもつ人達は、未経験者に較べて、地域紙を重要な地域情報源として捉えている。地域紙はコミュニティ形成・維持の活動と相即的関係にあると言える。 (4)一般市民に対する地域情報の情報源としては新聞と行政機関の広報の役割が大きい。テレビなど電波メディア、インターネットなど電子メディアは、新聞、広報に比較すると、まだまだである。宇部市において特にそうであったが、地域紙の役割が極めて大きい。 (5)地域紙の今後の展望については、おおむね地域に不可欠なものと見られている。人間生活に地域社会=コミュニティが不可欠とすれば、良質な地域紙は存続し続けるであろう。
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