2004 Fiscal Year Annual Research Report
低速多価イオンによる表面吸着原子の無損傷超高感度元素分析と構造解析
Project/Area Number |
16340115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小牧 研一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40012447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 泰規 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30114903)
畠山 温 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70345073)
鳥居 寛之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (20302838)
岡林 則夫 豊田工業大学, 工業大学院・工学研究科, ポストドクトラル研究員 (90387853)
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Keywords | 低速多価イオン / 表面吸着原子 / 元素分析 / 構造解析 / ポテンシャル・スパタリング |
Research Abstract |
本研究では、パルス化された低速多価イオンが超高真空環境下で正にバイアスされた標的に入射する。標的表面から放出された2次イオンは試料前方の接地されたメッシュに向かって加速され、メッシュ通過後は等速運動して、時間分解2次元位置敏感検出器で検出される。検出された2次イオンの到達位置と到達時刻から2次イオンの種類、初期速度(運動エネルギーと放出方向)を逆算する手法により、表面吸着原子の脱離機構を理解するとともに、吸着構造を判定する手法を確立し、超高感度、無損傷な表面吸着原子の元素分析、構造解析手段を実現することを目指す。 本年度は計画していた次の3点について研究を進めた。 (1)常温の清浄Si(100)表面の2つの2×1再構成構造分域に吸着されたFがArイオン衝撃によりF^+として脱離したとき観測される4回対称な放出角分布、初期エネルギー分布について、入射イオンの速度、価数依存性を調べ、放出機構の詳細に関する知見を得た。 (2)より高価数のイオンを使用できるようにするため、超高真空実験槽(既存)をこれまでのmini-EBISから切り離し、液体窒素で冷却した高温超伝導トーラスをもつ電子ビームイオン源(High-Tc-EBIS、既存、Ar^<l7+>、Xe^<42+>などの高荷電イオンを引き出し済み)に接続し、ビーム移送などの調整を進めている。 (3)イオン源からの低速多価イオンビームの照射により、標的から放出される2次イオンの到達位置および到達時刻を検出するためにこれまで用いてきた2次元検出器(2D-PSD、Wedge-Strip-Meander型)に替えて、大口径の2次元ディレイライン検出器(2D-DLD)を購入し、動作試験を行っている。
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