2005 Fiscal Year Annual Research Report
ツインレーザビームおよび熱応力解析による機能性材料の精密割断
Project/Area Number |
16360050
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
武藤 睦治 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00107137)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 幸雄 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (00303181)
|
Keywords | ぜい性材料 / レーザ / 割断加工 / 熱応力 / ガラス |
Research Abstract |
光学的、電気的、化学的機能を有する機能性材料は、情報通信をはじめ、様々な産業分野の発展において重要である。機能性材料も、実用上、切断や接合といった加工技術が必要となるが、このような材料の多くは、ガラスやセラミックスなどの難加工性材料である。本研究では、加工によるひずみやマイクロクラックが生じず、切りしろも不要な、非接触の加工法として、レーザ照射により生じた熱応力を利用してき裂を進展させ、ぜい性材料を精密に割断する手法について検討した。本年度は、ガラスを供試材とし、熱応力解析および実験により、適切な割断手法およびメカニズムについて検討した。まず、二点熱源を利用した解析を行い、き裂を任意の方向へ進展させる条件について調べた。その結果、後方のビーム照射位置および前方と後方のビーム強度比を変化させることにより、最大接線応による応力拡大係数の方向が変化することがわかった。そこで、プリズムを利用した加工ヘッドを試作し、割断実験を行った。その結果、シングルビームと比較して、ツインビーム(二点熱源)では、き裂を任意方向へ進展させることができる可能性は認められたが、加工ヘッドの工夫、とくに、駆動系の再検討が必要であることがわかった。ほかに、実用上重要となる、スタータき裂のない状態でのき裂発生挙動について、高速度カメラを用いた観察および熱応力解析により検討した。その結果、試験片端部の仕上げがき裂発生挙動に大きな影響を及ぼすことがわかった。また、条件によっては、複数き裂の発生や枝分かれも認められた。今後は、き裂発生のための熱応力の指向性を向上させる工夫が必要と考えられる。
|
Research Products
(1 results)