2004 Fiscal Year Annual Research Report
基準面を用いない高精度非球面X線ミラーの超精密形状計測に関する研究
Project/Area Number |
16360073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
東 保男 高エネルギー加速器研究機構, 共通基盤研究施設・機械工学センター, 助教授 (70208742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 勇蔵 大阪大学, 大学院・工学研究科, 客員教授 (00029125)
遠藤 勝義 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90152008)
山内 和人 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10174575)
山村 和也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60240074)
佐野 恭久 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40252598)
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Keywords | X線光学素子 / 非球面ミラー / 形状計測 / スロープエラー / 法線ベクトル測定 / ゴニオメータ / 基準面 |
Research Abstract |
1.最近の研究の背景 被球面ミラーのスロープエラーを0.1μrad.で測定できる形状計測法と装置の開発をおこなっているが、これらに関する世界の情勢を調査した結果、ここ1年大きな進展は見当たらなかった。たとえば、USAのFNAL研究所で行われたミラーに関するミーティングの内容を見ると、スロープエラーの測定精度は2μrad.程度で実際の製作したミラーのスロープエラーは3-4μrad.であるとしている。また、ヨーロッパではドイツのCarl Zeiss社では数nrad.の精度でミラーの形状計測をおこなっているが、被測定形状に限界がある。 2.平成16年度の研究内容 本測定方法は、基準面を用いず光の直進性を利用して被測定面の各点の法線ベクトルを0.1nrad.の精度で計測し、補間、積分することにより形状を求める。この研究で最も重要なことは法線ベクトルの測定精度を上げることであるため、集中的に角度測定精度向上をおこなった。ゴニオメータ4台使用するが、各ゴニオメータにはロータリーエンコーダが取り付けてある。個々のエンコーダの製作誤差、取り付け誤差および回転テーブルの製作誤差を含む角度分解能を測定し、較正をおこなった。 3.研究成果 2.の研究をおこなったことにより、角度位置精度が5μrad.から0.2μrad.に向上した。この結果を基に、SiCミラーを測定した結果、光干渉計による形状測定結果と比較すると1nmの精度で一致した。このことから、本測定法と測定装置の妥当性を証明した。また、X線顕微鏡に使用されるミラー製作のためのマンドレルの測定が可能かどうか検討した結果、0.2μrad.の精度で測定できることがわかった。 4.成果発表 以上の成果は、精密工学会において3件発表した、また、修士論文1件、卒業論文1件にまとめた。その他、本研究機構内のナノテク関係の研究に協力できた。これらの研究成果を国際会議で2回発表する予定である。
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Research Products
(5 results)