2006 Fiscal Year Annual Research Report
イネの成長、開花、およびストレス応答におけるジャスモン酸と生合成酵素AOSの役割
Project/Area Number |
16370027
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
飯野 盛利 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 助教授 (50176054)
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Keywords | ジャスモン酸 / アレンオキシド合成酵素 / 光形態形成 / フィトクロム / 傷害応答 / 幼葉鞘 / イネ |
Research Abstract |
フィトクロムを光受容体とする光形態形成反応(光成長阻害反応)のイネ突然変異体を用いた研究を進展させ、本年度は次の成果を得た。(1)cpm1突然変異体を用いた研究。この突然変異体はallene oxide synthase遺伝子(OsAOS1)の点突然変異に起因することをすでに明らかにしている。cpm1突然変異体、およびフィトクロムA・B欠損突然変異体を用いてイネ・マイクロアレイ解析を行い、傷害に応答するジャスモン酸依存遺伝子の多くはフィトクロムの制御も受けていることを明らかにした。(2)cpm2突然変異体を用いた研究。マップベースクローニングにより、cpm2突然変異の原因遺伝子はジャスモン酸生合成に働くallene oxide cyclase遺伝子(OsAOC)であることを明らかにした。現在、相補性検定のため、正常なOsAOC遺伝子を導入したcpm2突然変異体の形質転換体を作成している。 本研究により、イネ光形態形成反応の2つの突然変異体が、ジャスモン酸生合成酵素の突然変異体であることが判明し、ジャスモン酸はイネの光形態形成で中心的な役割を果たしていることがより明確になった。傷害に応答する防御遺伝子の多くがフィトクロムにも応答することも明らかになった。さらに、両突然変異体とも稔性に異常があり、より強い表現型を示すcpm2突然変異体はほとんど不稔(雄性不稔)である。本研究によって、ジャスモン酸はイネの稔性でも重要な働きをしていることが示された。
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Research Products
(4 results)