2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16380020
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
菅谷 純子 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (90302372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弦間 洋 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (70094406)
松倉 千昭 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (60361309)
瀬古澤 由彦 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 助手 (90361310)
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Keywords | アントシアニン / 果実着色 / 温度 / ブドウ / トマト / アブシジン酸 / 遺伝子発現 / 転流 |
Research Abstract |
I.アントシアニン生合成系に対する温度の影響と遺伝子発現について 1)ブドウをベレーゾン期より夜間高温区(30℃一定)、夜間低温区(30℃昼間/15℃夜間)において育成し、果実着色およびアントシアニン生合成遺伝子の発現について検討した結果、夜間高温区の方が低温区と比較してアントシアニンが果皮に蓄積していた。この現象にともなって、UDP-グルコース-フラボノイド糖転移酵素(UFGT)遺伝子の発現増加が認められた。また、フラボノイド3' 5'水酸化酵素(F3'5'H)遺伝子の発現が温度で変化する可能性が示唆された。 2)ベレーゾン期のブドウ果実におけるアントシアニン生合成遺伝子の発現の日変化について調査した結果、F3'5'H遺伝子の発現に日変化が認められた。UFGTの遺伝子発現には変化が認められなかった。 II.光合成産物の転流に及ぼす温度の影響 トマト(cv.Micro-tom)を開花後、高温区(25℃)および低温区(20℃)において育成し、糖転流活性がもっとも高い未熟期、緑熟期果実における葉からの^<13>C転流量を測定した。その結果、両処理区間で有意な差は見られなかった。ブドウについては、異なる温度条件で栽培した果実の糖分析をHPLCで行ったところ、果肉における糖の量には温度による違いが認められなかった。 III.植物生長調節物質の果実成熟に対する影響 1)トマト果実糖蓄積におけるABAの影響 トマト果実の糖蓄積に重要な果実発達初期のデンプン蓄積について、ABAの影響について検討した。ABA処理によるデンプン蓄積、ADP-glucose pyrophosphorylase活性および遺伝子発現の変化を解析している。 2)モモ果実の成熟に対するABAおよびエチレンの影響 モモの果肉ディスクにABA、フルリドン、ACC、AVGをそれぞれ処理したところ、ABA処理により着色が促進された。その際にABA生合成遺伝子の発現には変化が認められなかったが、エチレン生合成遺伝子の発現誘導が認められた。
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