2005 Fiscal Year Annual Research Report
低濃度量的培養液管理法によるトマトの超高収量低段密植栽培に関する研究
Project/Area Number |
16380021
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
丸尾 達 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (20143266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北条 雅章 千葉大学, 環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター, 助教授 (90110296)
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Keywords | 養液栽培 / 培養液管理法 / NFT / トマト / 低段密植栽培 / 栽植密度 / 排液率 |
Research Abstract |
「低濃度量的培養液管理法」の技術を応用し、果菜類の生長制御を効率的に行うNFTをベースにした栽培システム、培養液管理装置・ソフトの研究開発を行い、最終的に年間50ton/10aに近い収量が期待できるトマト栽培を実現することが本研究の目的である。研究2年目の本年は,昨年研究開発した改良型NFTシステムと培養液管理システムを用いて実際の栽培試験を行った。 まず,本システムを用いた密度栽培における栽植密度の検討を行った。10aあたりの栽植密度を3850〜7690株まで4段階に変えて試験を行った結果,試験の範囲では栽植密度を高めるに伴い,株あたり収量は低下するが,面積あたりの総収量は高まることが判明した。しかし,最も栽植密度が高い7690株/10aの試験区では,平均1果重が150g程度になった。今後の課題として,高栽植密度条件下で,培養液管理を最適化することによりどの程度まで平均1果重を高められるかが課題であることが分かった。 長段栽培と低段密植栽培の比較については,試験期間の関係で十分な検討は終わっていないが,低段密植でも,ハイワイヤー栽培に劣らない収量が得られる可能性が示唆された。 また,毎月定期的に,播種・定植を行って,周年的に栽培することで季節的な課題を検討したが,試験設備の不備もあり,開発システムを使用しても,6月定植,7月定植を行った試験では十分な収量が得られなかった。この時期の安定生産を実現するためには,今後施設・設備の改良による栽培環境の改善と高温条件下で安定した着果促進する技術を開発する必要がある。 さらに,培養液の殺菌や廃棄等に関連して,開発システムにおける培養液の循環液量と排液の少量化についても検討した結果,慣行のRW栽培に近い排液率(20〜30%)も少量多頻度の灌液を行うことで可能であることが判明した。しかし,本システムでは培地がほとんどないことから,単純な日射比例だけでなく,早朝,深夜等にもタイマーモードで灌液することが有効であった。
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Research Products
(2 results)