2006 Fiscal Year Annual Research Report
低濃度量的培養液管理法によるトマトの超高収量低段密植栽培に関する研究
Project/Area Number |
16380021
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
丸尾 達 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (20143266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北条 雅章 環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター, 助教授 (90110296)
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Keywords | 養液栽培 / 培養液管理法 / NFT / トマト / 低段密植栽培 / 日射比例 / 周年栽培 / 冷房 |
Research Abstract |
「低濃度量的培養液管理法」の技術を応用し、果菜類の生長制御を効率的に行うNFTをべースにした栽培システム、培養液管理装置・ソフトの研究開発を行い、最終的に年間50t/10aに近い収量が期待できるトマト栽培を実現することが本研究の目的である。研究3年目の本年は,昨年までに研究開発した改良型NFTシステムと培養液管理システムを用いた実際の栽培試験結果を受け,夏期の高温障害を回避するための栽培システム開発を行った。 前年度の試験では,季節的な課題を検討したが,試験設備の不備もあり,開発システムを使用しても,6月定植,7月定植を行った試験では十分な収量が得られなかった。この時期の安定生産を実現するためには,施設・設備の改良による栽培環境の改善と高温条件下で安定した着果促進する技術を開発する必要があった。そこで,本年度は夏期の高温障害を回避するために栽培システム開発や環境技術制御を確立し,効率的な周年栽培システムの構築を目的とした。 まず,ハウス内環境を制御するために育苗システムの設計・試作を行った。単棟パイプハウスを半分に仕切り,冷房処理区および対照区に分けて育苗を行った。植物体付近の平均気温は育苗期間を通して冷房処理区の方が4℃程度低く維持できた。その結果,冷房処理区の方が対照区に比べて第1花房第1花の到花日数が3日程度早まり,着花節位は1節程度有意に低下し,収穫開始日は10日程度早まった。また,着果率は第1花房において,冷房処理区の方が対照区に比べて有意に高い結果が得られた。第二花房および第3花房については,時期的に気温が低下し始める頃であったため,冷房処理区と対照区で有意差が認められなかった。以上のことから,実際の栽培規模においてトマトの育苗を行う際,高温に感受性の高い時期に冷房処理を行うことで苗の品質が確実に向上し,収量増加が期待できたが,経済的面を含めた更なる検討が必要である。
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Research Products
(4 results)