2004 Fiscal Year Annual Research Report
難溶解性浮遊粒子状物質のハザードアセスメントシステムの構築
Project/Area Number |
16390176
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
田中 勇武 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (00038035)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 泰夫 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (30258628)
大和 浩 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教授 (90248592)
大神 明 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (40301692)
大藪 貴子 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (20320369)
長友 寛子 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (10369077)
|
Keywords | 難溶解性浮遊物質 / 吸入性粒子 / 繊維状物質 / 気管内注入試験 / 肺線維化 / 吸入曝露実験 / 肺ガン |
Research Abstract |
本研究は難溶解性の浮遊粒子状物質の粒子の形状に着目し、有害性予測システムを確立することを目的としている。 本年度は、テスト試料の理化学的試験および気管内注入試験を行った。 試料は、ポジティブコントロールとして、クロシドライト(繊維状)および結晶質シリカ(粒子状)を用い、テスト試料として、同一の化学組成を持つ、チタン酸カリウムウイスカ(繊維状)とチタンサンカリウム(粒子状)を用いた。 本研究で用いる各試料の幾何形状について、繊維状物質については、走査型電子顕微鏡にて、繊維径と繊維長さを計測した。粒子状物質については、光散乱型粒度分布測定器を用いて測定した。その結果、ポジティブコントロールのクロシドライト繊維は幾何平均径1.3μm、幾何平均長さ0.2μmであり、結晶質シリカは幾何平均径1.8μmであった。テスト試料のチタン酸カリウムウイスカは幾何平均径0.35μm、幾何平均長さ4.4μmであった。 一方、粒子状チタン酸カリウムは、幾何平均径4.7μmであった。 気管内注入試験は、ラットを麻酔し無疼痛下で、試料を生理食塩水中に懸濁し、カニューレを通して、各群20匹のラットに気管注入した。ラットへの投与量は、人が曝露される可能性がるばく露濃度、特に労働環境で吸入されるであろう曝露量及び許容濃度から推定される生涯吸入量から、2mgとし、0.4mlの生理食塩水に懸濁して気管内注入を行った。対照群のラットには、0.4mlの生理食塩水を気管内注入した。いずれの群においても、ラットの成長(体重増加)には差異は認められなかった。注入後3日、1週、1ヶ月、3ヶ月後にそれぞれ5匹づつ解剖し、計画に基づき、肺における影響を検査している。
|