2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390416
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
峯浦 一喜 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (70134103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今堀 良夫 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (80191899)
笹島 浩泰 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (80196188)
大和田 敬 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (80332948)
木村 聡志 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (00301424)
梅澤 邦彦 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手
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Keywords | 脳腫瘍 / 分子標的診断治療法 / ロジスティクス / PET / F-18-fluorodeoxyglucose / F-18-B-10-fluoroboronophenylalanine |
Research Abstract |
本研究では,腫瘍血管新生およびその生物的意義の研究に立脚して,脳腫瘍のロジスティクス(エネルギー補給路)に基づいたより選択的な分子標的診断および治療法の樹立を目指す点にある. 脳腫瘍においてPETでF-18-fluorodeoxyglucose (FDG)とF-18-B-10-fluoroboronophenylalanine (FBPA)の動態解析を行い,ポジトロントレーサーの血管から組織内への流入(K1),流出(k2),および組織内代謝速度(k3)を算出した.FDG動態解析はthree compartment modelにしたがって、Patlak plotを用いて関数変換した.グリオーマではK1が多様であり,VEGFおよびGlut-1免疫染色では血管透過性が亢進しているが,血管面積が小さく,組織不均一性を反映していた.一方,髄膜腫におけるK1は統計学的に有意に高く,活発な物質輸送が推定された.免疫染色性はいずれも高く,血管透過性が亢進し,血管面積が大きいことが判明した. グリオーマにおけるFBPA動態解析では,K1が最も重要な予後規定因子であり,K1が腫瘍増殖能を反映し,組織悪性度による予後評価が可能であることを示した,FBPAの集積はtransporterによる能動的な取り込みに依存していると考えられるので,グリオーマの高値K1はアミノ酸の取り込みが旺盛で,アミノ酸代謝の亢進が示された. PETのトレーサー動態解析によるK1,k3から、FDGは血管透過性と細胞内代謝を反映し,FBPAはアミノ酸トランスポートを評価し,それぞれのトレーサーの特徴に基づいて腫瘍血管の脆弱性や透過性に関する知見,および増殖能などの脳腫瘍のロジスティクスを含む多面的循環代謝動態が把握され,診断および治療方針決定に寄与するものと期待される.
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Research Products
(4 results)