2005 Fiscal Year Annual Research Report
機能化高分子ナノミセル構造体(人工ウイルス)を用いた新しい組織再生支援システム
Project/Area Number |
16390506
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高戸 毅 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90171454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近津 大地 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30343122)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員 (30344451)
小山 博之 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員 (10241994)
西山 伸宏 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10372385)
片岡 一則 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00130245)
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Keywords | 高分子ナノミセル構造体 / Reverse transfection / コラーゲンゲル / 再生骨 / 遺伝子導入 / 血管組織 |
Research Abstract |
本年度の研究目標は、(1)再建組織に対する血行付与を目的とした安全性に優れた遺伝子導入法の開発と(2)安全性に優れた遺伝子導入法を活用し血行導入した骨(軟骨)・血管複合組織の構築の2点であった。 (1)に関しては、まずより高い遺伝子導入効率を目指してrevere transfectionの技法を用いた遺伝子導入法の開発実験を施行した。マーカー遺伝子を組み込んだ発現プラスミドを内包する高分子ナノミセル構造体を作成し、これをコラーゲンゲル内に混合して固定化した。そして、このゲルの表面に各種の細胞を播種・培養して、経時的にその細胞におけるマーカー遺伝子の発現を計測した。結果としては、マーカー遺伝子の発現は細胞播種後数日から2週間以上(ゲル上で培養はこれ以上不可能であった)にわたり認められ、reverse transfectionによる遺伝子導入法の有効性が示された。また、細胞内に取り込まれたミセルの細胞質内への移動性能を高めた新世代の高分子ナノミセル(PEG-DET)が開発されたため、これを用いたウサギ頚動脈壁への遺伝子導入実験も行い、ポリエチレンイミン(現状で最も導入効率が高い非ウイルス遺伝子導入基材)と比較して細胞毒性が格段に低く且つ同等の導入効率が得られることも明らかにした。 (2)に関しては、上述のPEG-DETに骨誘導を促進することが明らかになっている3種類の遺伝子を内包させ、骨組織誘導用のスカフォールド内に混合してマウスにインプラントするという実験を施行したところ、有意な骨組織の再生を確認することができた。骨再生に伴い血管組織の再生もおきているか否かは現在検討中である。
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Research Products
(6 results)