2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390546
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 美加子 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (40271027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹重 文雄 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (60206969)
岩見 行晃 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助手 (90303982)
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Keywords | 支台築造 / 歯根破折 / 疲労破壊 / 破面情報解析 / コンポジットレジン / セラミックス / 水中環境 / 亀裂進展 |
Research Abstract |
本年度は、前年度までに実施した静的破壊試験と疲労破壊試験の結果を基に、in vitroにおける支台築造を施した歯根破折歯の破面情報解析を行って、歯根破折の発生メカニズムを分析した。その結果、支台築造歯の破壊においては、まずコア材料のコンポジッドレジンから初期亀裂が発生し、歯根全体に伝播して垂直歯根破折に至る様子が観察された。 そこで、支台築造歯の機械的強度に重要な役割を果たすコンポジットレジンの疲労破壊抵抗性を、環境因子に着目して検討した。一般に、コンポジットレジンは水中に浸漬するとマトリックスの吸水膨張のために機械的強度が低下することが報告されており、水は破壊抵抗を減弱する因子であると認識されている。本研究において、コンポジットレジンを水中浸漬後に亀裂進展試験を実施した結果、浸漬前と比較して亀裂は急速に進展し破壊抵抗が減少することが分かった。一方、水中環境(水中浸漬なし)にて亀裂進展試験を実施した結果、大気中と比較して疲労破壊抵抗が高くなることが分かった。これは、水の存在下では亀裂の先端が鈍化(blunting)することで亀裂進展が緩除となり、破壊抵抗の上昇につながったものと考えれる。 一方、コンポジットレジンと同じく代表的な歯冠色材料のセラミックスは、水中保管の影響は認められないものの、水中試験では水分子が亀裂進展の促進因子として働き、疲労破壊抵抗は著しく低下することが明らかとなった。 このように、環境条件によって支台築造材料の疲労破壊抵抗が異なるため、支台築造歯の破壊抵抗性の評価は多面的に行う必要があることが示された。
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Research Products
(6 results)