2004 Fiscal Year Annual Research Report
指向性分析と処理モデリングを適用したメタデータ記述処理ルールセットの概念設計方式
Project/Area Number |
16500149
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
谷口 祥一 筑波大学, 大学院・図書館情報メディア研究科, 助教授 (50207180)
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Keywords | 記述処理ルールセット / メタデータ / 目録データベース / 概念モデリング / 指向性分析 |
Research Abstract |
図書館等において作成されている目録データなど、比較的詳細かつ高品質なメタデータを作成する際には、各データ項目の値の取得法および記録形式などを詳細に規定した記述処理用ルールセットが不可欠となる。本研究では、こうしたルールセットの概念設計において、個々の処理行為に含まれる「指向性」(目的合理性)の分析と処理プロセスのモデリングとを組み合わせて適用した方式を提案した。 記述処理用ルールセットの概念設計は、以下のフェーズから構成されるものとし、各フェーズの内容検討および必要なモデル構築を行った。 1.要求定義フェーズ:記述処理に伴う機能要件と非機能要件を、「指向性」の概念を用いて定式化する。併せて、記述処理を構成する基本的な処理の単位として処理タスクを設定する。 2.基本モデル構築フェーズ:処理タスクごとに、すべてのデータ項目(書誌要素)に基本的に共通する事象パターンを抽出し列挙する。加えて、基本事象パターンごとに、選択可能な複数の処置パターンを抽出し列挙する。併せて、個別の処置パターンに対応する指向性(通常、複数)を、その比重(高・中・低)を含めて指示する。 3.基本モデル展開および限定化フェーズ:(1)処理タスクごとの基本事象パターンおよび基本処置パターンに対して、個別書誌要素固有の知識を適用し、個別データ項目(書誌要素)に関わるすべての可能なパターンを生成し、網羅的・包括的なモデルを形成する。(2)次に、特定のシステムや環境に合致するよう、展開されたモデルから指向性を基準にして、任意の部分集合を選択する。 これらにより、汎用性と一貫性、さらにはスケーラビリティのある設計方式とすることができる。 なお、現在、提案した設計方式の各フェーズの遂行を支援しうるシステムの機能検討を行っている。
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Research Products
(4 results)