2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500173
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 朋広 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90210707)
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Keywords | 尤度比 / 大偏差不等式 / 漸近展開 / ベイズ推定 / 確率微分方程式 / 非同期共分散推定 / 保険数理 / マリアバン解析 |
Research Abstract |
非同期的離散観測下での2つの拡散過程の共分散推定を研究し,非同期共分散推定量("Hayashi-Yoshida estimator"と呼ばれている)の漸近性質を研究した.サンプリングスキームが確率過程と独立でない,一般の場合に漸近正規性を証明した.この研究は慶応大学の林高樹氏との共同研究である. 尤度比確率場を含む,統計的確率場に対する多項式型大偏差不等式を研究した.これは確率過程の統計モデル一般に対して適用でき,推定量のモーメントの収束,ベイズ推定量等に応用できる.離散的観測に基づく確率微分方程式の推定量の漸近挙動(mighty convergence:推定量のモーメント収束および確率場の弱収束)を研究し,擬似尤度推定量のモーメントの収束,ベイズ推定量の漸近正規性およびモーメントの収束を証明した.これらの結果は,確率微分方程式に対する,統計的予測,統計的モデル選択の理論で不可欠なステップである. 保険数理における,最低保証給付に関する将来損失のリスク尺度評価の問題を研究した.一般の非線形確率微分方程式によってファンドがモデル化される場合に,分位数の漸近展開(コーニッシュ・フィッシャー展開の類似)および条件つき裾期待値の漸近展開を与え,近似の良さを数値実験によっても確認した.この研究は亀山敦史氏との共同研究である. 小さな撹乱項を持つジャンプ型確率過程に対する擬似尤度推定量の漸近展開について研究した.ジャンプ型マリアバン解析を用い,その意味での推定量の滑らかさの一般的な証明を行った.
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Research Products
(3 results)