2004 Fiscal Year Annual Research Report
身体システムとしての運動時換気亢進メカニズムの解明
Project/Area Number |
16500383
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Research Institution | Hiroshima Prefectural Women's University |
Principal Investigator |
福場 良之 県立広島女子大学, 生活科学部, 教授 (00165309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 朗 県立広島女子大学, 生活科学部, 教授 (30190581)
西保 岳 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (90237751)
林 直亨 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (80273720)
遠藤 雅子 県立広島女子大学, 生活科学部, 助手 (30336911)
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Keywords | 運動 / 呼吸調節 / 身体システム |
Research Abstract |
[目的]筋内に存在するIII・IV群神経線維の末端を受容器とする求心性の筋機械受容器由来の換気調節機構について検討を行うこととした。そこで特に運動終了直後の回復期に焦点をあて、運動肢に圧迫刺激を与えることで筋機械受容器を刺激し、その時の換気応答を観察した。[方法]被験者は健康な成人男女6名であった。被験者は、両脚の大腿起始部に阻血用カフをつけ、さらにその上にanti-shock pants(以下;ASP)を装着し、角度60度の傾斜台上で6分間の自転車運動(強度:AT)を行った。ASPは腹部や脚の止血・固定用救命具として使われ、任意の加圧によって脚全体を圧迫することのできる器具である。運動終了直後の回復2分間に、以下の操作を下肢に対して行った。(1)運動終了にあわせて両脚の大腿起始部を250Torrでカフ阻血する対照条件、このカフ阻血に加えて、(2)ASPの圧を15秒間隔で0から60Torrの間で増減させる間歇的加圧条件、ならびに(3)回復開始15秒目から60Torr一定でASPの圧を維持する持続的加圧条件、の3条件であった。プロトコール中、肺換気量(VE),ガス交換諸量(VCO2、PetCO2)、血圧、心拍数、胸部インピーダンス(Z_0)を測定した。[結果・考察]血圧、心拍数、Z_0は、プロトコールを通して各条件間で有意差がなかった。また、運動回復期2分間において、間歌的機械刺激条件では他の2条件と比較して、VEが有意に高かった。VCO2も同様に他の2条件より有意に高かったが、VEに対応した変化ではなかった。PetCO2は各条件間で有意差がなかった。以上のことから、筋内圧の変化に起因するような筋機械受容器への刺激が、求心性情報の一つとして呼吸中枢へ伝わり、その結果として換気が亢進するという神経性の経路が存在することが示唆された。
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