2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500397
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
長澤 純一 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (40228002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井澤 鉄也 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70147495)
大野 秀樹 杏林大学, 医学部, 教授 (00133819)
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Keywords | 活性酵素 / 運動強度 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
背景:運動がきわめて低強度であれば抗酸化酵素をはじめとする活性酸素の消去機構が酸化障害を十分に捕捉できる可能性が高いが、高強度の運動ではラジカル発生量が消去能を上回る可能性も指摘されている。本研究では、これまで明らかにされてこなかった酸化ストレス防御に関する(健康に資する)運動強度の「閾値」を提示しようとする試みであり、一般的測定システムを確立させることによって、酸化ストレスを考慮した「至適運動強度の要件」を明示しようとするものである。活性酸素に対しては抗酸化物質や酵素の働きによって消去されてはいるが、酸素利用量が10〜15倍にもおよぶ高強度の運動時には、活性酸素の発生量も増加すると予想される。他方、低強度の運動時には、活性酸素発生が少なく、細胞障害性も低くなると予想されるが、この程度についてはこれまで報告がない。 実績概要:本研究は3年計画の初年度にあたり、運動強度と酸化ストレスの関係を明らかにすることを目的として、乳酸、カテコールアミン等との関連を調査した。7人の定期的に運動をしていない男性被験者(22〜25歳)に、自転車エルゴメータを用いて4分ごとに階段状に25Wずつ負荷を上げ、一定の回転数を維持できなくなるまで運動させた。肘前静脈より安静時、各負荷が上がる直前、運動直後、運動の10不運後、1時間後、24時間後に血液を採取した。抗酸化力は血漿が三価鉄を二価鉄に還元する量と規定し、FRAS4(WISMERLL社製)を用いて測定した。呼気ガスパラメータは換気閾値を決定するために測定し、運動に対する生体負担の指標として血漿乳酸濃度を測定した。 結果:運動強度にともなって血漿の鉄還元量は有意に上昇した。また運動による血漿乳酸濃度の上昇と鉄還元量は同様の変動を示した。
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