2005 Fiscal Year Annual Research Report
RNA LEGO:RNAナノストラクチャ-の構築とその機能化
Project/Area Number |
16510082
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
原田 和雄 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (00301169)
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Keywords | RNA folding / loop-loop interaction / RNA nanostructures / RNA dendrimers / thermal isomerization / peptide-binding / triple-helical scaffold |
Research Abstract |
申請者はこれまでに、ナノストラクチャー構築の新しいアプローチとして、ステム・ループを二つ短いリンカーで繋いだRNA基質を用いて、1)ループ・ループ相互作用によりRNA基質同士を会合させ、特定の鎖状および環状のRNA構造(2量体、3量体、4量体)を形成できること、2)ループ・ループ相互作用の強さを調節することにより、マグネシウム依存的にこれらのRNA構造の会合と分解をコントロールできることを示し、報告した(Horiya et al.,Chem.&Biol.,2003)。また、ステム・ループを二つ短いリンカーで繋いだRNA基質を用いることにより、デンドリマー構造を形成できることを示した(Fujiya and Harada,2004)。本研究期間は、下記のことを明らかにした: (1)環状のRNA会合体の熱異性化による安定な構造へ変換が効率よく進行することを示した。さらに、この構造変換を機能スイッチへ応用する試みとして、RNAの構造変換によりポリペプチド結合ドメインやRNA酵素の触媒ドメインが形成されるRNA基質を構築した(Li et al.,J.Am.Chem.Soc.2006,128:4035)。 (2)外部因子による鎖状と環状の会合体の間のスイッチングを試みた。これは、RNA基質の二つのステム・ループの間のリンカー部分に、マグネシウム・イオン依存的に三重らせん構造を形成するTriple-helical scaffold(THS)を導入することにより行った。その結果、マグネシウム・イオンによるスイッチングを観察することは出来なかったものの、THSおよびTHS変異体を持つ基質において、それぞれ鎖状および環状の会合体が優先して形成された。このことから、RNA基質のリンカー部分の柔軟性を調節することにより、環状および鎖状の会合体を作り分けが可能であることが明らかになった(Ohmori et al.,Nucleic Acids Symp.Ser.2005,49:193)。
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Research Products
(4 results)