2004 Fiscal Year Annual Research Report
諸宗教共存に向けてのキリスト教自己相対化の研究-習俗・図像・神秘思想の観点から
Project/Area Number |
16520058
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田島 照久 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (50139474)
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Keywords | 西洋哲学 / 宗教哲学 / 宗教民俗学 / 美術史 |
Research Abstract |
「キリスト教教会暦に沿った祝祭,及びドイツ語文化圏における民間習俗研究領域」 ドイツ国内でも最古の伝統を誇るシュベービッシュ・アレマーニシュのファスナハト(謝肉祭)をドイツのフィリンゲン市で現地取材をした。子供たちによるファスナハト行列や伝統的仮面と衣装による大規模なローゼンモンタークのファスナハト行列、夜にはGlonki-Obedを調査した。またバート・ドゥルハイムへ行き、ファスナハト研究の第一人者であるフライブルク大学のMezger教授に会って、ファスナハトとキリスト教との歴史的関わりに関する氏の解釈を映像資料を介しながら聞くことができた。さらにボーデン湖畔のユーバーディンゲンでこの地固有の伝統的なファスナハトも調査する機会を得た。 「宗教民俗学研究と宗教哲学研究をつなぐ図像研究領域」 キリスト教のヨーロッパ展開におけるモデル思想と想定される「神秘思想」に深い関連があるとみられる「ぶどう搾り機の中に立つキリスト図像」に関して、ドイツ現存最古のひとつモーゼル河畔にある15世紀の石彫を中心に研究を進めた。本年は当初は予定をしていなかったイタリア各地にある「キリスト像」についてもラベンナのモザイクを主にパドヴァ、ヴェネチア、シエナ、ペルージャ、ピアッツァ・アルメリーナ等の美術館、教会を回り資料を収集することができた。 「宗教哲学研究領域(神秘思想研究)」 この領域では今年度はエックハルト・フォン・ホーホハイム(マイスター・エックハルト)の「神の受肉論」についてとくに「naturahumana論」に関して研究を進めることができた。成果の一部は出版物の中で公表した。
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Research Products
(1 results)