2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長瀬 修 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員 (60345139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 公士 新潟大学, 大学院・実務法学研究科, 教授 (80145036)
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Keywords | 障害 / 障害者 / 人権 / 条約 / 障害学 / 国際法 / 国際人権法 |
Research Abstract |
平成13年12月の国連総会決議に基づいて、実質的に平成14年に開始された障害者の権利条約の審議、交渉は平成16年度に計3回開催された特別委員会で本格的に進められた。第3回特別委(平成16年5月24日-6月4日)では、平成16年1月の作業部会でまとめられた作業部会草案の第1条から第24条までの「最初の検討」(第1読)が終了した。第4回特別委(平成16年8月23日-9月3日)では作業部会草案全部の第1読を終えると共に、第1条〔目的〕から第15条〔地域生活〕、また、第24条第2次案〔国際協力〕に関する「再検討」(第2読)、並びに第4条〔一般的義務〕から第7条〔平等と非差別〕4項までの非公式協議が行われた。第5回特別委(平成17年1月24日-2月4日)では、第7条5項(特別措置)から、第14条第2次案〔家庭と家族の尊重〕までの非公式協議がおこなわれた。研究代表者の長瀬は3回とも出席し、現場での観察、資料収集を行った。 本年度の研究として、第3回から第5回特別委員会での逐条の議論・交流の動向の把握・分析、本条約策定過程への国内外の障害者組織・障害者NGOの関与、さらに既存の人権条約との比較を進めた。とりわけ障害学の社会モデルや、文化モデル、また、障害者自身の視点の重視といった観点からの分析を進めている。条文案の検討では、視覚障害や、聴覚障害・ろう、精神障害、知的障害といった障害種別の異なる状況・ニーズから多様な論点が提示されているため、それぞれの障害種別への理解をもとに、条約制定過程の分析を進めた。第3回、第4回特別委員会の報告を論文にまとめたほか、国際人権法学会第16回大会でもアクターとしての障害NGOに焦点を当てた口頭発表を行った。
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