2005 Fiscal Year Annual Research Report
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16530028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長瀬 修 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員(特任助教授) (60345139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 公士 新潟大学, 大学院・実務法学研究科, 教授 (80145036)
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Keywords | 障害 / 障害者 / 人権 / 条約 / 障害学 / 国際法 / 国際人権法 / NGO |
Research Abstract |
当該研究期間において、障害者の権利条約交渉は一層、本格化した。平成17年度は8月1日から12日まで2週間、開催された第6回特別委員会において、平成16年1月の作業部会で作成された作業部会草案に基づく交渉はひとまず区切りがつけられた。第6回特別委員会までの議論を受けて、議長は平成17年10月に新たな議長草案とカバリングレターを公表した。議長草案を一括して交渉するため、平成18年1月16日から2月3日まで3週間にわたり、第7回特別委員会が開催され、新たなワーキングテキストが作成された。このワーキングテキストをもとに、平成18年8月14日から25日に開催される第8回特別委員会は、最終的な詰めの作業を行う予定であり、これが最後の特別委員会となる可能性も高い。 当該期間における主要な研究実績としては、前年の国際人権法学会での研究代表者の発表を発展させて、条約策定過程におけるNGOを通じた障害者の参画に焦点を当てた研究を進め、国際人権法学会の『国際人権』誌(2005年、第16号)に発表した。障害学を簡潔に紹介した後で、国際障害者年以降の国際的な障害者の権利保障の取り組みと障害分野でのNGO間の協力・連帯の経緯を振り返った。また、条約交渉の舞台となっている特別委員会へ障害者自身が効果的に参画するためのアクセシビリティの確保の努力や、特別委員会での条約交渉への障害者の参画のために結成された国際障害コーカスの動向をはじめとする、いわゆる「当事者」の参画が従来の人権条約策定過程にない高水準で確保されてきたことによる成果と今後の課題を分析した。 さらに、第6回と第7回特別委員会それぞれの段階での最新の条約交渉の状況の報告や最新の条約草案の翻訳と分析作業を行い、その成果をインターネット等で広範に社会的に提供を行った。また、関連する国内施策の動向や、海外での人権状況に関しても研究を実施した。
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