2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530127
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
奥口 孝二 岐阜聖徳学園大学, 経済情報学部, 教授 (00086977)
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Keywords | ベルトラン / クールノー / 均衡 / 複合 / 安定性 |
Research Abstract |
ベルトラン寡占均衡の安定性(および存在)についてこれまで殆ど研究されていない。本研究では製品差別化があるベルトラン寡占の戦略変数が価格である場合、ベルトラン均衡価格が安定であるための十分条件を需要関数および費用関数がともに線形である場合に、2つの価格調整に関する動学体系-1つは同時的価格調整、もう1つは遂次的価格調整-を前提して分析した。 いずれの動学体系においても、需要関数の係数行列の対角成分が非対角成分の総和よりも大きい場合には、ベルトラン均衡価格は安定的であることが明らかになった。 また、需要関数がKrelle形の非線形関数の場合には、各企業の費用関数が非線形でかつ同一であるならばベルトラン均衡価格は企業数が無限大になるにつれ、限界費用が非逓滅的で、ゼロ生産量における限界費用と平均費用が一致するならば、完全競争均衡価格に収束することが明らかになった。この結果は製品差別がないクールノー寡占におけるエントリーの結果(これについてはFrank(1965)、Ruffin(1971)、Okuguchi(1973)等を参照)と一致する。以上の結果はドラフト"Simultaneous and Sequential Price Adjustments in Bertrand Oligopoly"にまとめられた。 本研究ではまた、製品差別化をともなうベルトラン複合とクールノー複合における均衡の安定性の条件の関連性についても分析を行った。一般的な需要関数および費用関数のもとで、もしもベルトラン複占均衡価格が安定である場合ならば、どのような付加的条件が課されるとクールノー複占数量均衡が大域的に安定になるのかを、通常の需要関数と逆需要関数1次および2次偏導関数の関係を考慮することにより明らかにした。また、戦略変数が生産量である場合の製品差別化をともなうクールノー寡占均衡の大域的安定性について論文"Global Stability of Equilibrium in Cournot Oligopoly with Product Differentiation"を作成し、International Conference on Industrial Organization(Athens University of Economics and Business主催)にて発表した。
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Research Products
(2 results)