2005 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者への心理療法的かかわりに関する研究-箱庭を介したかかわりから-
Project/Area Number |
16530447
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡田 康伸 京都大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (90068768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 勝紀 京都大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (80091388)
皆藤 章 京都大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (70204310)
石原 宏 京都大学, 大学院教育学研究科, 助手 (40378500)
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Keywords | 高齢者 / 心理療法 / かかわり / 関係性 / 箱庭 / 死への準備 / 継続 / 終結 |
Research Abstract |
平成17年度は、平成16年度に引き続き、特別養護老人ホームでの箱庭を介したかかわりに関する調査を実施するとともに、並行して平成16年度から蓄積してきたデータの分析にあたった。 具体的には、 1.平成16年度の研究企画以来、調査の実施および調査に関するカンファレンスを交互に繰り返してきた過程において、随時課題を見いだし、調整あるいは修正してきた調査手続きの変遷について分析を行なった。その結果、高齢者という対象に共通した特有の課題にそった手続き的工夫が必要であるとともに、個々の調査協力者にそれぞれ固有の課題があり、「高齢者の心理療法的かかわり」とはいえ、むしろ個々の固有性にそった工夫の方が重要であると考えられた。 2.調査過程で、個々の調査協力者との継続的なかかわりを重視し、事例研究の手法によって心理療法実践と同様の「かかわり」の機微について細やかな分析を行った。その結果、「高齢者との心理療法的かかわり」を考える場合に、箱庭などに表れる世界ということよりも、箱庭を介した調査協力者と調査者の関係性の展開に焦点を当てた捉え方がより重要であると考えられた。特に、継続面接の「終わり方」というテーマと高齢者が現実的な課題として直面している「死への準備」というテーマの重なりについての考察を詳細に行い、「成長」や「発達」といった右肩上がりの発想を超えたところで、衰えゆき、死にゆくことを生きる高齢者への「心理療法」(心理臨床)的かかわりのあり方を模索してゆくことが必要であることを結論として提示した。
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