2005 Fiscal Year Annual Research Report
学術研究活動のボーダレス化と大学システムの構造変動
Project/Area Number |
16530539
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Research Institution | University of TSUKUBA |
Principal Investigator |
加藤 毅 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 講師 (10233800)
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Keywords | 学術研究活動 / 大学システム / 知識基盤社会 |
Research Abstract |
本研究では、1)学術研究活動のボーダレス化(グローバル化・学際化・イノベーションシステムとの連結)の実態を定量的に明らかにするとともに、2)知識基盤社会の到来によって引き起こされるであろう大学の変化について考察し、3)これらの変化にともなって出現するであろう我が国の大学の新たな構造を析出することを試みた。主要な分析結果については以下の通りである。 1.学術研究活動のボーダレス化という傾向は、時間の経過と共に強まっていることが明らかになった。なかでもとくに研究活力の高いグループにおいて、この傾向が顕著にみられる。また、従来は消極的であった工学分野における民間企業との交流についても、徐々に積極的に行われるようになりつつある。ただし、ポスドクの進路について例外であり、依然として研究者養成過程として位置づけられるケースが圧倒的に多い。 2.知識基盤社会の到来が大学にもたらす4つのパラドクス、「政治化する大学の管理運営」「高度化する支援業務」「効率性の低下をもたらす社会貢献活動」「人材需給のギャップがもたらす過剰学歴問題」について明らかにした。 3.研究費の規模および財源別構成と研究成果に着目し、従来用いられてきた大学(教員の所属機関)の類型が、必ずしも研究活動の実態に即してはいないことを明らかにした。所属機関とは無関係に、研究アクティビティの高いグループのネットワークの実態を明らかにすることを通じて、さらにこの問題について研究を深めることが必要である。
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Research Products
(1 results)