Research Abstract |
骨格地図とは,根幹となる粗い地図から詳細地図を構築するためのデータ構造である.従来の略地図が,詳細地図から簡略化して描画されるのに対し,詳細地図が未だ整備されていない状況から,構成的に詳細地図を整備していくことを目的とした地図のためのデータ構造である.位相(接続関係)を主体としてデータを構築していくので,計量ベースの従来の地図とは異なるものである. 本年度の研究は,(1)データモデルの改良,(2)処理システム試作,(3)記述方法の改良,(4)地図データ作成とシステム評価,(5)地図の演算方式の確立,を目標とした.結果として,従来システムの改良を行い,システムの高速化を図り,大規模データを扱うときに障害となっていた試作システムの実行時間を大幅に短縮した.また,記述方法の改良として,データの正規化を提案し,同じように描画される何通りもある骨格地図の記述データを標準化された記述に「正規化」する方法について検討した.当初計画以外には,骨格地図の上の接続構造のパターンを検索するための試験的な方法等について考察した.しかし,残念ながら,データモデルの改良としての区間の導入,および,地図の演算方式の検討は,平成17年度以降の課題として残った. なお,本年度購入した主たる備品はノートパソコン1台,Windowsサーバー1台,Linuxサーバー1台である.これらの購入目的は,プログラム開発とデータ整理,複数のOSにおける実験サービスの実施である.また,従来GISであるところのESRI社のArcViewというソフトウェアを購入し,本研究の新しいアプローチと従来GISとの接点について考察中である.また,研究発表は東京近郊であったため,旅費として用意した予算を研究上必要な物品の購入に充当した.
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