2004 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子の観察と力学特性計測に適した原子間力超音波顕微技術の開発
Project/Area Number |
16560058
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
村岡 幹夫 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (50190872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 栄樹 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (80177188)
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Keywords | 原子間力超音波顕微鏡 / DNA分子 / 遺伝子診断チップ / 付着エネルギー / エネルギー解放率 / 集中質量型カンチレバー / 弾性計測 / 高感度化技術 |
Research Abstract |
蛋白質やDNAなどの生体分子の形状を観察し,さらに剛性等の力学特性を計測できる原子間力超音波顕微鏡技術の開発を目的とする本研究の16年度における成果は以下のとおりである。 1.鶏肝臓より抽出精製したDNA分子サンプルを作製した。平均塩基長1000のDNA溶液(70%エタノールの水溶液)をマイカ壁界面に滴下し,自然乾燥後UVクロスリンカーにより波長254nm,強さ5000μJ/cm^2の紫外線を照射し,その後純水で洗浄した。純水中で原子間力顕微鏡により同サンプルを観察した結果,マイカ基板上に固定されたDNA分子が観察できた。 2.遺伝子診断チップ上のDNA分子の定着性は,診断チップの信頼性の観点から極めて重要である。診断チップでは通常樹脂等の表面粗さを持つ基板が利用されるため,原子間力顕微鏡では基板上のDNA分子を直接観察することはできない。本研究では,シリコン探針の押付けによりDNA分子が探針に比較的強く付着することを見出した。また,基板からの引剥しの際の引力に注目すれば,基板上のDNA分子の存在が認知できること,また付着力が計測できることを明らかにした。 3.2項の計測結果に対して,エネルギー解放率の概念を導入することにより,基板上DNA分子の単位長さ当りの付着エネルギーが評価できること,および平均結合周期の評価を基に基板との結合種が同定できることを明らかにした。 4.原子間力超音波顕微鏡の高感度化技術に不可欠な集中質量型カンチレバーの作製の方法を検討した。ここでは,集中質量の作製に集束イオンビーム加工法を適用した。これにより,良好な弾性計測が可能になった。
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Research Products
(2 results)