2005 Fiscal Year Annual Research Report
高ひずみ速度域における鉛フリーはんだ/無電解めっき接合界面の強度支配要因の同定
Project/Area Number |
16560072
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
上西 研 山口大学, 大学院・技術経営研究科, 教授 (50177581)
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Keywords | 高ひずみ速度 / 鉛フリーはんだ / 有限要素法 / 衝撃解析 |
Research Abstract |
前年度に導出した高ひずみ速度域における各種鉛フリーはんだ材の構成式と接合界面の臨界強度を組み込んだFEMおよびMAL衝撃解析プログラムを用いて鉛フリーはんだボール接合部の衝撃解析を行った。平行して現有設備の落下型衝撃試験機を用いて、上述の実物大試験片の衝撃落下試験を行い、両者を比較することにより、はんだ接合界面の強度支配要因について検討した。その結果、はんだ接合部の変形挙動を従来の画像相関法等よりもさらに高精度に計測しなければ、本研究で提案している解析法の有効性を立証できないことがわかった。そこで、金属の塑性変形に伴い生じる温度変化をゼーベック効果による電圧出力として計測する起電力法を鉛フリーはんだボールの変形計測に応用し、衝撃を受ける鉛フリーはんだ接合界面近傍の変形を計測した。具体的には、まず、銅配線基板上のパッドに鉛フリーはんだボールを接合し、このボールに落錘を高速で衝突させ、その時の起電力を計測した。次に、起電力はサーモカップルを付けた位置における温度上昇と強い相関があるので、FEMによる構造-熱連成解析を行い、衝撃せん断変形を受けるはんだボールの温度上昇(すなわち起電力)を計算した。そして、実験結果と計算結果とを比較することにより、はんだボールと基板との接合界面近傍の変形と起電力の関係を明らかにした。それらの結果の一部は、日本機械学会RC214エレクトロニクス実装における信頼性設計と熱制御に関する研究分科会にて報告した。それ以外の高ひずみ速度域における鉛フリーはんだ/無電解めっき接合界面についての一連の研究成果を公表するために、現在、機械学会論文集等への投稿準備を進めている。
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