2004 Fiscal Year Annual Research Report
トリプル同時ドーピング法による硫化亜鉛の伝導制御と発光素子化の研究
Project/Area Number |
16560286
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
岸本 誠一 高知工科大学, 総合研究所, 助教授 (90177816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 哲也 高知工科大学, 工学部, 教授 (30320120)
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Keywords | 気相成長法 / ZnS / Hall測定 / ドーピング / 同時ドーピング / 硫化亜鉛 / エピタキシャル成長 |
Research Abstract |
本年度は、p型伝導性を得るためのアクセプタ不純物である窒素(N)と,青色発光に関係した銀(Ag)の添加量を増加するために,まず現有自作の気相成長炉の改良を行った。また、今まではキャリアガス(水素)とドーピングガス(アンモニア)の流量制御はフローメーターとニードルバルブで行っていたが、マスフローメーターを導入した。これにより、従来までに比べ安定したガス供給が期待できる。 次に、3種類のドーパントの添加温度をそれぞれ独立に変えて製膜したサンプルを準備した。 本研究ではインジウム(In)と窒素の同時ドーピングの効果を新規性としており、窒素濃度の制御にはインジウム添加が有効であることを第1原理電子構造計算に基づく結果を理論的に示した。SIMSによる添加不純物の定量分析では、Inが10^<17>cm^<-3>以上添加されたときに、窒素加量との相関が見られた。また、窒素の添加量はアンモニアガス流量に関係していないことがわかった。窒素添加量を制御するためには、窒素を分解する熱処理温度との関係を調べる必要がある。さらに、Inの添加量は、発光に必要と考えている10^<18>cm^<-3>に達しておらず、今後の検討が必要である。 Hall測定の結果から、キャリア移動度がより高くなる条件が存在し、NH_3流量200sccm近辺、In添加温度650℃から750℃がその該当領域であることがわかった。また、この不純物添加条件での電気特性におけるキャリア散乱機構は、不純物散乱機構がより支配的となっていることがわかった。
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